雪深い土地として知られる新潟のなかでも、キューピットバレイは“超”豪雪エリア。シーズンインして間もない時期に、すでに山頂部は5メートル近い積雪がある。自然地形を利用したパウダーランなど、ここならではの豪快な滑りが味わえる。アイテム豊富なパークや地元名物を揃えたレストラン、風情あるログハウスの宿泊施設など、滑りも食も、貪欲に味わい尽くそう。

Mie

内山ミエ。プロスノーボーダー。車泊をしながら全国のゲレンデを滑りまわるパワフルガールズライダー。JSBA、SAJのハーフパイプ大会で優勝・上位入賞の経験多数。海外の大会にも積極的に参戦し、優勝経験もあり。ナショナルチーム強化指定選手認定。

Waka

若月知広。キューピットバレイからほど近い、新潟県十日町を拠点に活躍する現役プロスノーボーダー。常に陽気で雪上ではさらにテンションアップ。ジブ、キッカー、すべてのパークアイテムを自分なりのスタイルで攻略するなど、ベテランの技が光る。

Masahi

古江将之。かつてはライダーとして活躍していたが、現在は夜の飲み会が楽しみなサンデーボーダーに。ギャップがあれば即座に縦回転を狙うアグレッシブさは健在。

Jin

陳野原功輝(SURF&SNOW STAFF)。国内・海外のゲレンデを滑りまくった、元プロスノーボーダー。パウダー、フリーラン、パーク、どんな雪質・地形も対応できるオールマイティー型。

目玉はツリーランが楽しめる未圧雪のツリーランコース

ゲレンデ内にある非圧雪のツリーランコースは、手を加えられていない天然の地形をそのまま利用したエリアで、コースというより森の中を滑っている感覚だ。並ぶ木々を避けながら自分でライン取りを考えつつ、自然のウェーブやU字といった地形でスプレーを上げたり当て込んだりジャンプをするなど、自分のスキルを思うぞんぶん振るえる。

自然と一帯になれる未圧雪のツリーランコースは、どこもかしこも豪快な雪のスプレーを舞い上げ放題。テンションも上がりっぱなしだ。滑りながら進むラインを考え、遊べる地形を見つけたら迷わずトライ。ただし、自己責任で滑走するエリアなので木立の衝突などのトラブルには気をつけよう。

Mie

新潟出身の私としては、キューピットバレイは小さな頃から通っている庭のようなところ。雪がとにかく多く、非常に高い確率で深雪のパウダーランに当たります。自然地形が豊富で、ツリーラも楽しめ、いろんな滑りをしているうちに自然とリカバリー力も身についた気がします。私を育ててくれた、ゲレンデといってもいいかも!

機動力の高いゴンドラでロングラン

ゲレンデ最上部までゴンドラを使うとたったの15分で到着。山頂駅からベースまで全長4000mのロングコースが伸び、爽快ランを約束してくれる。緩斜面と中斜面が連続する変化に飛んだ地形は、いろんな滑りができるフリーランに最適なコースだ。豪雪エリアならではの深雪が積もった急斜面もたくさんあり、パウダーランの腕磨きにもってこい。いろんなコースを滑り尽くそう。

急斜面はパウダーの宝庫。底付きのない深いパウダーを自由なライン取りで滑る爽快感がたまらない。リフトとゴンドラを利用して効率的にコースを巡ろう。

一般コースにも飛んだり当て込んだりできる遊べる地形がたくさん点在している。ポイントを探す自分のサーチ力をフル回転させよう。

ゲレンデにはもちろんピステンバーンもあり、高速カービングも気持ちいい。センターハウス前のメインバーンからは菱ヶ岳がきれいに見渡せる。

Masashi

一般コースにも自然地形を活かした場所が多く、遊べるポイントがたくさんある。「あそこで飛べる」「ここで当て込める」とか、ポイントを探しながら滑れて楽しいぞ!

Jin

埋まるほど深いパウダーから、整備されたワイドバーン、そして地形遊びをしながらのロングランなど、あらゆる滑りが楽しめて総合力がアップしそう!

流して楽しめる2つのスノーパーク

キューピットバレイの魅力はパウダーだけじゃない。流して遊べるアイテム豊富なスノーパークを備え、ナイター営業まで遊べる。スノーパークは中・上級者向けのメインパークと、比較的難易度の低いアイテムを並べたサブパークの2タイプ。どちらも、大小さまざまなキッカーやヒップ、ジブなど多彩なアイテムを設置している。また、土日・祝日の10時から約1時間、パークデビュー向けにディガーによる「パーク無料レッスン」を開催。

飛び系・擦り系、ほとんどのアイテムが揃っているパーク。アイテムごとにいろんな遊び方を考えてみよう。例えば、ヒップを飛びながらメイクしてもいいし、ハンドプラントを仕掛けるのもカッコイイ。

ジブはスタイルの見せどころ!

パークには、ボックス、レール、ウォールほか、ジブの種類が多種多様。ビギナーは低めのフラットボックス、上級ボーダーはキンクレールやダウンボックスなど、スキルに合わせてチャレンジしていける。レベルアップしたら、自分なりのスタイルでオリジナリティを出してこう。

同じアイテムでも、ボーンやグラブ、エントリーの仕方に変化をつけることでさまざまなスタイルが出せる。

Waka

キューピットバレイはその昔、足繁く通った思い出のゲレンデ。サブパークはナイターも解放していて、営業終了時間の21時まで思いっきり遊べる。昼はパウダーを楽しんで、夜はパーク三昧、なんて過ごし方をしてもいいかも。パークはメインバーンとリフトを挟んで反対側にあるから、滑り派とカチ合うことなく飛びやジブに集中できます。

キューピットバレイならではの名物料理も味わおう

ゲレンデのダイニング的存在が、センターハウス内のレストラン「ブランネージュ」。座席数も多く、麺類、丼物、定食など料理の種類も豊富だ。豚肉とキムチの相性抜群の「アホめし」は、ガーリックの風味もきいてごはんはどんどん進む人気ナンバーワンメニューだ。雪深い新潟地方ならではの伝統的な食料保存法「雪室」に貯蔵した豚肉を使った新メニューも登場し、ハンバーク、カレー、丼物などに取り入れられている。

人気No.1の「アホめし」。「アホ」とは、スペイン語で「にんにく」という意味。味噌汁付きで950円。

仲間とわいわいシェアして食べるなら、大ボリュームの「安塚塩ちゃんこ鍋」(3000円)がおすすめ。豚バラ肉や野菜、キノコなど10数種類の食材と料理長の愛情入り。「雪室熟成豚丼」(950円)は、地元名物のかんずりをつけてピリ辛にして食べるのがおすすめだ。

ガッツリ飯なら「プラザ2」の肉料理!

ゲレンデ中腹の「プラザ2」は、ローストビーフ、タンドリーチキン、ポークリブなど肉料理が充実。スパイシーなジャーク、肉の風味がしっかり味わえるアメリカンと同じ肉でも味に違いがある。1000gのライスにあらゆる肉料理をたっぷり盛った、超特大パーティプレート「マウントヒシガタケ」(3500円)は数人でシェアして食べられる。みんなでわけ合えばいろんな種類の肉料理が楽しめるぞ。「プラザ2」があるのは第1クワッドリフト山頂のすぐ下。パークに向かう通り道なので、パークユーザーには便利だろう。

数種類の肉が楽しめる1人前のコンボプレートもあり、いろんな肉料理の組み合わせが選べる。肉料理のほかにも、シチューや豚汁などが人気。

ログハウスのビレッジがゲレンデと隣接

ゲレンデ横に広がるログハウスのビレッジは直営の宿泊施設。ログハウスはカナダから直輸入した本格仕様だ。センターハウスからバスで送迎してくれ、1部屋6名まで利用可能。室内に風呂があるが、近くの温泉施設「ゆきだるま温泉 雪の湯」までバスの送迎も出ている。宿泊料は1室6名以上の利用で平日9500円、土曜・休前日11500円(大人料金)。チェックインはセンターハウスのフロントで受付している。

ログハウスは仲間内だけで過ごせるいい環境。木の温もりに包まれた雰囲気たっぷりのログハウスは、広くてとても開放的だ。

夕食はいろんな料理が味わえるバイキング

滞在中の食事は、センターハウスのレストラン「ブランネージュ」で提供。夕食、朝食どちらも、好きな料理を好きなだけ食べられるバイキングスタイルだ。地元産の野菜を積極的に取り入れるなど、食材にこだわった自然派バイキングで、焼き物や煮物、刺身など、和洋中のさまざまな料理が約30種類取り揃えた豪華な内容。米は上越産のコシヒカリを使用している。別料金でアルコールの注文も可能だ。

食後はレストラン内にはバーカウンターでゆっくりと。グラスを傾けながらゆっくり歓談できる。洋酒やカクテルなど、各種アルコールが揃っており、キンキンに冷えた生ビールは格別のおいしさだ。

疲れを癒やしてくれる天然の湯「ゆきだるま温泉 雪の湯」

ゆきだるま温泉は、菱ヶ岳の山麓から湧く天然温泉。ゲレンデのすぐ側に温泉施設「雪の湯」があり、滑った後にすぐ立ち寄れる。内湯は100名が入浴できるほど広く、遠赤外線の中温サウナも完備。露天風呂で雪見風呂も楽しめ、存在感ある菱ヶ岳の眺望が素晴らしい。直営宿泊施設からバスの送迎もあるので、滞在中に何度も利用しよう。入浴料は大人500円。フロントでタオルのレンタル(200円)もできる。

館内には、休憩室、おみやげコーナー、食事処などもあり、湯上がりにのんびり過ごしてリフレッシュしてから帰路についてもいいだろう。

好きなデザイン&ブランドが選べるレンタルコーナー

レンタルは好きなブランドのスキー&スノーボード、さらに気に入ったウエアが選べる「ブランドバイキング」を展開。ウエアはサイズもデザインも豊富で好みのコーディネイトで仕上げられる。また、気になるブランドのスキー&スノーボードを試乗会感覚であれこれ乗り比べてみる、なんてことも可能だ。

ウエアはサイズが豊富で、細めや太めなど自分好みのスタイルが出せる。キッズ向けのボードは、エッジが引っかかりにくくて滑りやすい“LTR”モデルを採用。

レンタルコーナーでは平日に限り、無料でスノーバイクを貸し出している。スノーバイクは自転車とスキーが合体した新感覚のスノースポーツで、ショートスキーを装着して乗るとさらにトリッキーな動きが可能になるとか。自転車のようにハンドルで方向転換できるが、体重移動も必要になる。珍しい雪山のアクティビティをぜひ体験してみよう。

おみやげはセンターハウスの「ゲレスポ」で

ゲレンデにある一般的なスノーショップとは一線を画す「ゲレスポ」。グローブやビーニーといった普通の雪山アイテムも揃えているが、玩具やパーティグッズ、ミニスケートボードなど雑多なものまで豊富に取り揃え、雑貨店のような賑やかさが特徴だ。ショップオリジナルの「雪猿」グッズもあり、人気はパンツ。ほかにも、即買したくなるおもしろいアイテムが店いっぱいに並んでいる。

雪深い土地ならではの施設やイベントにも注目

キューピットバレイはファミリー施設も充実しており、通常のキッズパークのほか、雪室を利用した雪遊びエリア「キューちゃんランド」も設置。屋内施設なので天候に左右されず子供たちが楽しく遊べる便利な施設だ(入場料500円、土日ほか悪天候時に営業)。また、2月に開催される「灯の回廊 安塚キャンドルロード」は、日が暮れると約60キロの沿道に11万本のキャンドルが灯り、幻想的な世界が浮かび上がる人気のイベントだ。

キューピットバレイ

キューピットバレイ

最長4000mのロングコースや林間のパウダーコースなど、バラエティ豊かなコースが全9本。スノーパークもあり、幅広い層が楽しめる。そり遊び専用のキッズパークや「ファミリーパーク」など、ファミリー向けの施設も充実。土曜特定日はナイター営業し、ナイターで利用できるスノーパークもあり!
キューピットバレイ オフィシャルサイト