本日から決勝、2日間で競技が行われる。最初の種目が行なわれる「うさぎ平ゲレンデ」の上空は、昨日に引き続いて澄み切った青空が広がり、まさに最高の舞台が整ったように思われた。
しかし、ゲレンデを駆け抜ける「風」がかなり強く、時間が経つほどに立っていられないほど吹き荒れていた。そのためコースサイドに架かるリフトが止まり、否応なしに競技開始時刻は遅らされることになった。
しばらく待機が続いたが、風の強さは一向に衰えることなく、リフトも動かないまま。ただ、風以外の天候とコースコンディションが良好という判断から最初の種目を行なうことが決定。スタート位置までは選手はもちろん、競技運営スタッフやプレスのカメラマンなども斜面を歩いて登ることになった。
そして当初の予定時間よりも1時間30分遅れで競技はスタートした。
決勝1日目の種目は「小回り/急斜面整地」と「大回り/急斜面不整地」、そして「フリー/中急斜面整地」の3種目が予定されていた。最初の種目「小回り/急斜面整地」は、昨日の「大回り/急斜面整地」が行なわれた斜面。斜面の難易度の高さに加え、選手の後ろ側から強い追い風が吹いていることで、さらに不安定感を感じながらのスキー操作を強いられることになった。
強風で思わずバランスを崩す選手も多かったが、強風の影響すら感じさせない抜群の安定感をある滑りで、女子の最高得点となる279点を挙げたのは女子総合2位に付けていた金子あゆみ選手。総合1位の佐藤麻子選手が272点だったので、一気に挽回。男子も柏木義之選手が281点を挙げ、上位2選手に食らいついていく展開だ。
そして1種目の競技途中で、この後も強風が収まらずリフトの営業再開も見込めないことから2種目目に予定されていた「大回り/急斜面不整地」は明日に順延となり、午後はウスバゲレンデでの「フリー/中急斜面整地」の1種目のみが行なわれることとなった。
「フリー/中急斜面整地」は昨日のマテリアル規制とは違い、高速系のスキーを使って、リズム変化のある中でも、よりスピードに乗った滑りをした選手に高得点が出ていたようだ。
高速種目を得意とする吉岡大輔選手は282点を叩きだし、この種目279点だった丸山貴雄選手に総合順位で逆転し現在総合トップに。女子は昨年の覇者である兼子佳代選手が転倒するアクシデントもあったが、佐藤麻子選手と金子あゆみ選手が280点と譲らず。
男子の1位吉岡選手から3位の柏木選手の差は、たった3点にまで縮まり、女子は2位の金子選手が2点差で1位の佐藤麻子選手を追う。優勝の行方は男女ともわからなくなってきた。
大会は明日が最終日。第50回の節目の大会でトップに名前を刻むのは、いったい誰になるのだろうか。本日行なわれる予定だった「大回り/急斜面不整地」を含め3種目あるだけでなく、最終種目は「何が起こるかわからない」不整地種目。大逆転は果たしてあるのだろうか。最後の最後まで目が離せない。
Photo&Text Tomohiro Watanabe
【男子本選リザルト】
1位 吉岡大輔(新潟県)1396pt
2位 丸山貴雄(長野県)1395pt
3位 柏木義之(新潟県)1393pt
4位 片山秀斗(新潟県)1381pt
4位 水落亮太(新潟県)826pt
男子予選リザルト詳細はこちら
http://www.hakuba-happo.or.jp/50gisen/result/final-r1-male.pdf
【女子予選リザルト】
1位 佐藤麻子(青森県)1369pt
2位 金子あゆみ(新潟県)1367pt
3位 水落育美(秋田県)1356pt
4位 藤田潤子(秋田県)1340pt
5位 大場朱莉(宮城県)1337pt
女子予選リザルト詳細はこちら
http://www.hakuba-happo.or.jp/50gisen/result/final-r1-female.pdf
技術選オフィシャルサイトはこちら
http://www.hakuba-happo.or.jp/50gisen/