ゲレンデを飛び出して山に分け入れば、自然地形にたっぷりの天然雪が積もっている。雪の海を泳ぐように滑走する感覚はやみつきだ。専門知識や装備が必要で、なかなか体験できないバックカントリーだが、yamabokuでは雪上車で登山口まで上がれ、ガイドと用具レンタル付きのマウンテンツアーがある。
1550〜1750mに広がる牧場を利用し、1st、2nd、3rdの3つのステージで構成されているyamabokuワイルドスノーパーク。豪雪地帯かつ標高が高く、ドライで軽い雪が積るパウダー天国として知られている。多彩なマウンテンツアーも企画しており、自然そのままの地形が滑れると、多くのパウダーフリークが足を運ぶ。そして今シーズン、今までオールハイクだった3rdステージのマウンテンツアーが、笠岳登山口まで雪上車で上がれるようなった。あこがれの裏山の雪は、もう遠い存在じゃない!?
笠岳登山口から先はハイクアップ。15分〜20分も登れば、そこには自分だけのファーストトラックが待っている。3rdステージはコースではないので、自分でラインを考えて滑り降りる。
雪上車を利用する新しいマウンテンツアーを、さっそくSURF&SNOWスタッフが体験。今まで登山口まで数時間かけてハイクしていたが、雪上車ならリフト山頂からわずか20分。
早朝ゲレンデベースに集合し、リフト運行とともにピークへ向かい、そこから雪上車で登山口まで。ハイクアップを数本繰り返して、大体15:30ぐらいまでオフピステを堪能する1DAYツアー。ツアー参加には事前予約が必須!
まずは、神池山を登って1本。アップダウンを繰り返して辿り着いた山頂には、広々とした雪原が横たわっている。まだ誰も滑っていないバージンスノーに自分のトラックを刻む感覚は実に爽快。バランスを崩しかけてもリカバリーし、持ちうる技術をすべて出しきって完走したときの達成感は最高だ。雪の積もった木々や岩を通りぬけると一般コースと合流し、山麓まで降りたらひとまずランチ。午後はまた雪上車で登山口まで上がり、今度は笠岳の斜面を2本滑走する。この日の雪は2日前に降ったものだというが、まだ柔らかく雪のスプレーが舞い飛ぶほど軽い。
雪上車で上がってきた道を振り返る。この距離をハイクなしで来られるのはありがたい。静かな森の風景に見とれながら歩いているうちにランディングポイントに着いてしまう。
歩行時、スキーはシール、スノーボードはスノーシューを装着。着け方はガイドがちゃんとレクチャーしてくれる。
yamabokuの山麓には宿や食事処が点在しており、マウンテンツアーのランチは、その中の1軒「サンタ牧場」で提供している。店主が真心こめて手作りしたハヤシライスは、よく煮込まれて肉も野菜もやわらか。お手製のケーク・サレ(塩味のケーキ)も非常に美味で、あっというまに平らげだ。
雪山の背景がよく似合うログハウス風のカフェ「サンタ牧場」。店内にはサンタグッズがたくさん並び、のんびりくつろげるアットホームな雰囲気。
ニックネーム:S&Sタケちゃん。
自称フリースキーヤー。
カテゴリーに捕らわれず、スキーをこよなく愛する親父スキーヤー。全日本技術選出場経験があるが、現在はもっぱらパウダー&ファミリースキーに熱中!
前回体験した2ndステージのサイドカントリー要素に比べ、3rdステージはハイクアップやツリーランなどの要素が強く、より本格的なオフピステが味わえる。雪上車で登れ、ツアーガイドも付き、装備もレンタルできるので、僕のようなツアー初心者でも安心。極上のパウダーが味わえ、さらに新しいスキーの楽しみ方を発見ができるぞ!
ニックネーム:テツ。
パウダーからパークまで何でもこなすオールラウンダー。20代までプロスノーボーダーとして活動し、今も変わらぬ(?)スキルを持つ。最近はファミリースノーボードにも興味津々!
念願の3rdステージをついに体験! 一番の魅力は、天然地形を誰も滑っていない最高のコンディションで滑れることだけど、実は滑ることだけじゃなく、きれいな景色を見ながらのハイクアップも気持ちいいんだな。苦労して登った分、1本のランを大切にするし、ラインや滑り方なども考えるから滑りも上達していくぞ。
ニックネーム:チホ。
標高1300mの高原で育った山っ子。滑りはへなちょこだが、幼少時から冬はゲレンデに通う生活を続け、気が付くとスノー関係のフリーライターに。ピステンも大好きだが、パウダーはもっと大好物。
登山口から何時間も歩くのかなと思ったら、15〜20分ほどで滑り出すので、これなら女性でもチャレンジしやすい。不整地を滑るとバランス能力が磨かれ、緊張感もあるから、1本1本の内容が濃い。もっと地形を活かして思うがまま動けたらいいのになぁ、と欲が出るので、オンピステでの練習に身が入りそう。