最近よく耳にする「体幹トレーニング」。一流スポーツ選手やダイエット情報などで良く耳にする「体幹」とは、一体どの部分のことなのでしょう?そしてここを鍛えるとなにがいいの? 何かと気になる体幹ですが、どの部分を指すのかきちんと知ってからトレーニングしたほうが効果的です。そこで、超基本情報からスキー&スノーボードの滑りに役立つ簡単トレーニングまでご紹介します。
講師:三枝 奨
船橋整形外科病院リハビリテーション科のトレーナー。健康運動指導士の資格を持ち、医療と運動生理学の知識を合わせた安全かつ効果的な運動プログラムを実践。プロスノーボーダーのリハビリ経験もあり、自身もスノーボードに親しむスポーツ愛好家。
モデル:吉澤 こずも(プロスノーボーダー)
体幹トレーニングを実践中のガールズプロライダー。第9回「NISSAN X-TRAIL JAM」でガールズ初のデモジャンプを行い、スノーボード専門誌、DVDなどに多数出演。(スポンサー:Ride Snowboards)
激しい動きに対応できる身体を手に入れましょう。
学校や会社では机に向かい、家に帰ってもパソコン、ゲーム、テレビの前から動かない。そんな生活を送る最近の20~30代には体が固い人が増えています。体が固いと足や腕の可動域が狭くなり、いくら筋肉を鍛えても動きに生かせません。体幹の筋肉を鍛えると骨盤が正しい位置や角度になり、自然に姿勢が良くなります。腕や脚部の動きがスムーズにできるようになり、運動するとき体が安定しやすくなるのです。そして体幹の筋肉がしっかりしていれば、ダイナミックな動きや素早い対応など、スポーツ時に必要な能力が高まります。さらに、体幹には太い筋肉が集まっているため、鍛えることで代謝が良くなるというメリットもあり。エネルギー消費が高まるため、痩せやすい体に変身できるのです。スポーティーで美しい体になるために、さっそく体幹トレーニングにトライしてみましょう。滑りに必要な動きは、体のひねり、背骨をしなやかに反るなど。体幹トレーニングには体を伸ばす「ストレッチ系」と筋肉を鍛える「パワー系」があります。
【トレーニング1】肩周りの可動域を広げる
手とヒザを床につき、腰は回さず片手を横に広げてそのまま真上に。手のひらは頭の方向に向け、顔も上げて指先を見る。胸が開いて肋骨が動くのを感じ、背骨がねじれている感覚を意識しながら、そのままの姿勢で10秒。左右とも行う。
顔が下を向いたままではダメ。手のひらもしっかり前(頭側)に向け、肩裏にかかるテンションを感じて。
【トレーニング2】背骨や骨盤をしならせる
両足を肩幅に広さに開き、指を組んで腕を上げる。そのままゆっくりお尻を真下におろして10秒ストップし、またもとの姿勢に戻す。これを3セットと行いましょう。
腰をややそらし、体の軸が床と垂直になるイメージで。お尻を下げるときは、ヒザが割れてガニ股にならぬよう注意。
頭が前に倒れてしまうと、腰が折れて背骨や腰が逸らせない。体の軸をまっすぐにしたまま、お尻を下げるイメージで。
【トレーニング3】体のサイドをゆっくり伸ばす
イスに座り、指を組んで両手を上げる。ヒジを曲げずに体を横に倒し、腰から脇下までしっかり伸ばす。これを左右に10秒×3セット行いましょう。
体を倒すときは頭のてっぺんが真横に向き、背骨が横にしなるイメージで。
前に倒れるとウエスト部分がきちんと伸びないので注意。
【トレーニング4】股関節を伸ばす
片ヒザを立てた状態で、指を組んで両手を上げる。後ろ側の足はつま先は立てた状態で。そのまま腰を前に突き出し、モモ、背中、股関節が伸びるのを意識する。10秒その姿勢を保ったら、ゆっくりと最初のポーズに戻る。同様に足を替えて行う。
腰を前に前に出したとき、体はまっすぐ正面に向けて。顔は上げ、視線は手のひらに。
日常生活に体幹トレーニングを取り入れよう
通勤電車やバスでつり革につかまっているとき・・・
揺れに合わせて体のサイドを伸ばし、さりげなく体幹トレーニングを。
根幹トレーニングはアイデアしだいで日常生活の動きに取り入れられます。例えば、[トレーニング3]は通学&通勤の電車やバスの中で応用。乗り物が揺れるたびに体のサイドを伸ばす動きができちゃいます。ほかのトレーニングも料理や掃除など、毎日行う作業に取り込めるよう考えてみて。
船橋整形外科病院
千葉県船橋市飯山満町1-833
TEL:047-425-5585
一般整形、スポーツ医学、人工関節・脊椎/脊髄などの高度医療、リハビリテーションなどが充実しており、最新の設備を整え、知識豊富なスタッフも充実。専門的な診療が行える整形外科として知られている。