身体の動きをスキー板に伝えるのがブーツとビンディングの役目です。ブーツとビンディングがしっかり固定されていないと、滑っているときに外れてしまうので非常に危険。正しい装着方法を覚えて安全にスキーを楽しみましょう。
スキーを履く前に
スキーを装着するとき、ブーツの裏に雪がついているときちんとビンディングに固定されません。装着前にポールなどを使って、ブーツの裏の雪を落としましょう。
固まって落としにくい雪は、ビンディングにブーツの裏を叩きつけるなどして落とします。雪が残ったままだと、ブーツとビンディングの間に隙間ができてきちんと固定されないので、きれいに落としておきましょう。
スキーの履き方
ブーツを装着する前に、ビンディングの後ろの金具を確認。カカトがはまる部分が上を向いている(後ろの金具が下がっている)と装着できる状態です。ビンディングに雪がついていたら取り除いておきます。
ブーツのつま先の出っ張りをビンディングの前側にはめます。ポールなどを支えにすると、体がふらつきにくくなります。
後ろのビンディングにカカトを合わせて踏み込み、バチンと音がすれば装着完了。ビンディングがきちんと固定されると、このようにカカトの固定部分が下がり、後ろの金具が跳ね上がります。
正しく装着できない状態
スキーを履くときは、ビンディングの後ろの状態を確認しましょう。このようにカカトを固定する部分が下がり、金具の後ろが上がっているとブーツを装着できません。ポールや手で金具の後ろを下げ、カカトがはまる状態にしてからブーツを装着します。
装着時、きちんと踏み込まないとカカト部分が下がらず、このようにブーツが浮いた状態になります。きちんと固定されていないため、わずかな刺激ですぐ外れてしまいます。リフトに乗っているときや滑走時に外れると危険なため、スキーを装着したら後ろの金具の状態を見て、きちんと固定されているかどうか必ず確認しましょう。
スキーのぬぎ方
スキーをぬぐときは、ポールを使って後ろ側のビンディングを下に押します。下がりにくければ、しゃがんで手で押し下げましょう。
ビンディングのカカト部分が持ち上がるのに合わせて、ブーツのカカトを浮かせます。そのまま足を持ち上げれば、スキーを脱ぐことができます。
解放値について
ビンディングには、固定力を示す「解放値」というものがあります。数値が小さいほど固定力が弱く、スキーが外れやすくなっています。転倒時などではスキーが外れたほうがケガのリスクを低減できるため、初心者用のスキーは解放値が低く設定されています。
スキーの解放値は専門的な知識がある人しか調整できません。レンタル用のスキーは借りる人のレベルに合わせ、きちんと数値が設定してくれます。自分でスキーを購入する際は、スタッフに相談して数値を設定してもらいましょう。
photo & text : Chiho Kuriyama