マグネット式をいち早く採用し一瞬でレンズの脱着ができる「Anon」のゴーグルは、雪山に足繁く通うスキーヤーであればすでにご存知の方も多いだろう。Anonはスキーヤーであっても誰もが知るスノーボードブランド「Burton」から2001年に派生したアイウエアブランド。そんなAnonからリリースされているヘルメットもまた、高い安全性や機能性、デザイン性を兼ね揃え、感度の高いスキーヤーから熱い視線を浴びるアイテムとなっている。高い意欲を持って技術の向上に励む滑り手にとって、高性能かつスタイリッシュなAnonのゴーグルとヘルメットは、まさに願ったり叶ったりのキーアイテムとなるはず。今回はそんな気になるAnonの最新モデルとなる25-26アイテムを、全日本技術選大会に出場経験のある2人の基礎スキーヤーにガチンコでレビューしてもらった。

堀 萌夏(ホリ モエカ)

千葉県スキー連盟所属
全日本スキー技術選手権大会2大会連続出場
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村木 優斗(ムラキ ユウト)

全日本スキー技術選手権大会3回出場
スポンサー:Ogasaka ski

トップスキーヤーも注目するAnonとは?

今回フォーカスするAnonについて、まずは簡単なブランドのバックボーンを紹介しよう。言わずと知れたスノーボード界の雄Burtonは、1977年のブランド創設以来つねにシーンをリードしてきたトップブランド。AnonはそんなBurtonの姉妹ブランドとして2001年に誕生し、滑り手目線でのモノづくりやチャレンジ精神によって、斬新な機能やシステムを搭載したアイウェアやヘッドプロテクトギアを提案し、進化させ続けている。そのすぐれた機能性はもちろん、使い勝手のよさや見た目のカッコよさがスノーボーダーのみならず、近年は多くのスキーヤーにも受け入れられ広がりを見せている。

デザイン性と視認性の高さ、細かな使い勝手のよさに驚き!

堀萌夏さんは、大学でスキー部に所属する文武両道の現役医大生。大学で本格的にスキー競技に取り組みはじめ、2年連続で全日本スキー技術選大会に出場しているアップカマーだ。スキーを通してさまざまな出会いや繋がりの輪ができることがなによりも楽しいと話す彼女は、全日本で決勝に進み、10位以内という結果を残すことを目標に、真剣にスキーと向き合っている。
Anonの最新ゴーグルとヘルメットを試着して滑った感想を率直に聞いてみると、まずはゴーグルレンズの見やすさを挙げてくれた。さまざまな選択肢があるAnonのハイコントラストレンズだが、春のザクザクの雪でも細かな凹凸が確認しやすく、とにかく安定した視界でまったくストレスなく滑走に集中できたという。マグネットでのレンズ交換ははじめ戸惑ったもののすぐに慣れ、レンズが落ちないか、ズレないかなどの心配はすぐに解消できた。
数時間のライディング中に終始つけていたゴーグルとマグネットで連結できるフェイスマスクもかなり気に入った。普段はネックチューブをゴーグルに挟みこんで日焼けや防寒対策を行なっているそうだが、隙間なくゴーグルのフレームの下に簡単に装着できるフェイスマスクはレンズの曇り知らずなうえに、完璧に肌の露出をガードできる。取材日は晴天に恵まれ日差しも強かったが、フェイスマスクのズレが一切ないこと、呼吸が苦しくないこと、また日焼けを気にしないでいいことで、よりスキーに集中できたと太鼓判をおす。
今回着用したヘルメット「WINDHAM WAVECEL」については、一見でそのデザインに惚れ込んだ。親近感のわく丸みを帯びたフォルムと個性的なカラーリング。基礎スキーではチーム内で同じウェアを着用することも多く、外見で個性をアピールすることは難しい。だが、スキーをすることは表現することであり、見た目からインパクトを与えることも重要。なによりも滑ることを楽しみたい堀さんにとって、お気に入りのデザインが気分を上げてくれることもまた、道具選びの重要なファクターとなっている。Anonのラインナップのなかで、やや重さのあるモデルであることについて着用感を尋ねると、かぶってみるとさほど気にならず、逆に安心感もあったとのこと。
使用したゴーグルの「M5」については第一印象でちょっとゴツいと思ったというが、着用してみると視界が広く、ヘルメットと合わせると思いのほかスッキリしたルックスで、◎なコーディネートとなった。

堀さん注目ポイント①PERCEIVEレンズ

AnonのPERCEIVEレンズは、コントラストを高めて地形の凹凸など雪面をシャープに捉えてくれるので、光や天候に左右されることなく、クリアな視界を提供する。晴天用のSUNシリーズ、晴〜曇天用のVARIABLEシリーズ、曇〜雪用のCLOUDYシリーズと用途に合わせてさまざまなカラーが用意されているので、天候に合ったレンズを選べる。

from 堀 萌夏

裸眼では白一色だった視界が、PERCEIVEレンズを通して見ると、見えていなかった地形の凹凸が本当にハッキリと確認できます。

堀さん注目ポイント②MAGNA-TECH®&MFIフェイスマスク

ワンタッチでレンズの取り外しが可能なMAGNA-TECH®は、強力なマグネットの磁力を利用し、レンズとフレームをしっかりと連結する。強力な磁力による保持力に優れ、滑走中にズレることや、水分や風の侵入もない。
フェイスマスクとゴーグルを磁石で連結するMFIもまた雪山で快適に使える機能で、すぐにオープンすることも、正確かつ瞬時にフェイスマスクを装着することもできる。

from 堀 萌夏

多くの人にとって大敵のゴーグル焼けを簡単かつ快適に阻止してくれる超便利アイテム! ずっとつけていても苦しくないのも嬉しいポイント。

堀さん注目ポイント③スタイリッシュなデザインとゴーグルとの親和性

Anonヘルメットのこだわりである、安全性・快適性とスタイルの両立。その高いデザイン性は、Anonがヘルメットをただのプロテクション以上のものに昇華させている。もちろんAnonゴーグルとの相性はお墨付き。ヘルメットとゴーグルの間に隙間がまったくないのは同ブランドだからこそ。

from 堀 萌夏

やはりお気に入りのデザインのものを選ぶことは、滑りのモチベーションもアップするので大切。ゴーグルとの相性は形状だけでなくデザインもベストマッチなので、セットで選びたいですね。

安全かつ長時間かぶっていても快適なヘルメットは期待以上

学生時代に3年連続で全日本技術選を経験し、現在は社会人スキーヤーとして11月から5月までのロングシーズンの休みの日を、毎週のように雪上で自分の滑りやレッスンやに費やす村木 優斗さん。滑りの幅を広げたいと、続けてきた基礎スキーをベースに、フリーライドやバックカントリースキーにも挑戦する根っからのスキー好きで、道具選びにもこだわりが強い。
そんな村木さんはもちろん、今回の試着滑走前からAnonはチェック済み。フリーライドスキーヤーが使っているイメージが強かったというが、マグネットテクノロジーなど他ブランドにはない機能にスタートから興味津々。実際にAnonを使用してみてもっとも印象的だったことを聞いてみると、ヘルメットのフィット感だった。自身の頭の形に合うヘルメット選びにこれまで苦労してきたのだそうだが、Anonは驚くほど彼の頭にフィットしてかぶっていることすら忘れてしまうほどだったという。簡単に微調整できるBOA®︎による完璧なフィットに加え、軽量な「LOGAN WAVECEL」だからこそ、その言葉を言わしめてることは間違いない。
ヘルメットの内側を見るとわかるAnonが誇るプロテクション機能WAVECELにも注目した。格子状の素材が衝撃を受けると曲がる→つぶれる→滑るという流れで力を逃がし、脳を衝撃から守ってくれるシステム。身近にヘルメットが割れるくらいの怪我をした人もいるというムラキさんにとって、ヘルメットの安全性はかなり重要。自身もツリーランで怖い思いをしたことがあるので、多少高額であっても安全性の高いヘルメットを選びたいと話してくれた。

またWAVECELによって、安全性だけでなくヘルメットの通気性もアップしていることも高評価。ヘルメット内部がムレることなくつねに快適な状態であったこともまた、先のかぶっていることすら忘れるという発言につながっているのだろう。
ヘルメット着脱の際のバックル操作がグローブをつけたまま片手で行えることにも大満足。どんな状況下でもラクにヘルメットを着脱できることで、ストレスなく滑りに集中できたと嬉しそうだ。大好きなスキーを快適に楽しめ、より滑りに集中できるように考えられたAnonの細かなギミックは、想像以上だったよう。

村木さん注目ポイント①BOA® 360°フィットシステム

ダイヤルを回すだけで、簡単かつ素早い微調節を可能にしてくれるBOA® 360°フィットシステムを搭載。多様な頭の形にフィットして安定感も抜群。

from 村木 優斗

僕の頭はハチが張っていて横が当たることが多いんですが、今回のヘルメットはどこも当たることがなく、フィット感が良すぎてより滑りに集中できました。

ムラキさん注目ポイント②WaveCel

Wavecel®︎はヘルメットの内側に並ぶ折り畳み可能な細胞構造で、細胞のネットワークを介して衝撃エネルギーを分散するのに役立ち、車の衝突ゾーンのように衝撃力を減らし、曲げと滑りによって回転力をそらすのに役立つ。スノーヘルメットではAnonが唯一採用し、確かな安全性を保証する。

from 村木 優斗

脳への衝撃を軽減するシステムであるMIPS搭載のヘルメットもありますが、WaveCelはより高い衝撃吸収性能を持つとされているので、さらに安心感があります。通気性のよさが抜群な点もポイントです。

村木さん注目ポイント③Fidlock®マグネチック

ヘルメットのストラップバックルは片手で、しかもグローブをつけたまま簡単に着脱可能。気になった時にすぐサッとヘルメットを着脱できるのも、滑りのパフォーマンス向上にひと役買ってくれる。

from 村木 優斗

バックルを横にスライドさせると簡単につけ外しできるので、ヘルメット着脱の煩わしさをまったく感じません。マグネットは強力でガッチリしているので、外れる心配も無用です。

今回使用したアイテムはコチラ!

堀さん使用アイテム

ヘルメット:WINDHAM WAVECEL HYPER LILAC(25-26 モデル)
ゴーグル: M5 HPRLLC/PRCV SUN ONYX(25-26 モデル)

村木さん使用アイテム

ヘルメット: LOGAN WAVECEL OAT(25-26 モデル)
ゴーグル:M4 TORIC OAT/PRCV VRBL BLUE(25-26 モデル)

Anonのゴーグル&ヘルメットで新たなスキーライフを!

Anonのゴーグルとヘルメットは確かな技術であらゆるスキーヤーのさまざまなニーズに応えてくれることが、今回2人によって証明された。正確さと合理性を求め、より美しいターンを描きたいスキーヤーを、Anonプロダクトはしっかりサポートしてくれることだろう。ネクストステージへと引き上げてくれる革新的なギアを、次はあなたがぜひ手に取って確かめてみてほしい。

著者:岸野真希子

スノーボード歴:26年
高1でザウスデビューし、一瞬でスノーボードの虜に。
在学中から雪山にコモりはじめ、雪を求めて夏はNZへ。
ショップ勤務後、スノーボード専門誌『TRANSWORLD SNOW boarding JAPAN』の編集者を経てフリーに転向。
2013年から白馬村に移住し虎視眈々と極上ラインを狙っている。
著書:HELLO HAKUBA VALLEY

【SPECIAL THANKS】
LOCATION:菅平高原スノーリゾート

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