スキーやスノーボードを快適に楽しむためには、良好な視界の確保が最優先事項。どんなにいいウェアを纏っていいギアに乗っていても、ゴーグルが曇ってなにも見えていないようじゃ台無しだろう。ゴーグルは雪山に反射する光の眩しさを和らげるだけでなく、紫外線から目を守り、雪や風からも目を保護してくれる重要な役割を持つ。ゴーグルなしで滑ることを想像したら、目を開けていることすら難しい。
そんなウィンタースポーツの必需品であるゴーグルは、デザインはもちろん機能性が重要。選ぶ際のポイントは、まずレンズの性能だ。ゴーグルにはダブルレンズとシングルレンズがあり、雪山で快適に使うのであれば、レンズを2枚重ねてレンズとレンズの間に空気の層ができ曇りにくいダブルレンズを選ぶのが◎。また、レンズがどのくらいの光を通すか=どのくらい眩しくないかを示す「可視光線透過率」(VLT)が%で示されているので、選ぶ際に着目してみよう。一般的には晴天用なら15%、曇天用は45%、ナイター用が90%程度ほどが見やすく、一枚でオールマイティに使いたければ40~50%くらいがおすすめ。またレンズカラーは人により見えやすい色味が異なるので、実際に店頭などで試してみるのがベストだ。
近年ゴーグルはどんどん高性能化と多様化がすすみ、平面or球面、フレームありorなしか、またレンズ交換方法もマグネットタイプ、ワンタッチ式など、実に多くの選択肢があり頭を悩ませる。だが、最終的には基本的な性能をクリアして雪山で快適に使用できるものであれば、自分の好みに合わせて選べばOK。
では、機能性とデザイン性を兼ね備えたおすすめゴーグルを紹介しよう。
DRAGON[ドラゴン]
DX3
DX3はDragonチームライダー使用率NO.1モデル。男女問わずフィットする横長シルエットのミディアムフィットとJAPAN LUMALENSで、ナイターや、雪や曇りの暗い天候~晴天まで、一枚のレンズで対応可能。スタンダードなゴーグルモデルの中でも、DX3は細いフレームデザインを採用し、ゴーグルの軽量化と装着時のスマートなデザイン性を実現。ワイドな視野と装着時のデザイン性の高さから、瞬く間に高い支持を得ている。
D1
D1はラージサイズの平面スタンダードフレームモデルで、DX3に対してやや縦長のシルエットで男女問わずフィットする。伝統的なゴーグルデザインを継承しながら、現代のテクノロジーを採用。確かな機能性とルックスの良さからエントリーユーザーから上級者まで、幅広いユーザ層に支持されている。ボックスシルエットのウェアや2000年代Y2Kスタイルにも相性GOOD。RAWフレームは、貝殻を再利用したシェルパウダーを原料に配合する。
DICE[ダイス]
GOODMAN
DICE の代名詞となったゴーグル内換気システム「A-BLOW SYSTEM」を採用した平面レンズモデル。サイドパーツを起こすとレンズがポップアップし、レンズとフレームの間に換気スペースが生まれることで曇りを解消し、つねにレンズ内の環境をベストに保つことができる。圧倒的な視野の広さと日本人に最適な抜群のフィット感で、今までに経験したことのない新しいゴーグル体験を提供してくれる。
BANK
近代スノーボードシーンにおいて最も革新的なギアとして熱狂的な支持を受ける”呼吸するゴーグルBANK”。ゴーグル内換気システム「A-BLOW SYSTEM」により、内部の暖かい空気を外へ排出し新鮮な外気を取り入れることでレンズの曇りを防ぐ。レンズにはフォトクロミック・テクノロジー(調光)を搭載、ウルトラレンズの特徴である「凹凸が見やすい」機能はそのままに、降雪時や曇天時~晴天時までのあらゆる環境でレンズの明るさを自動的に調整してくれる。
AXE[アックス]
AX900-WCM
レンズの曇りの正体は、ゴーグル内の温度と外気の温度差で発生する「結露」。そのため、ゴーグル内にこもった暖かく湿った空気を外に逃がし、内と外の温度差をなくすことが"曇り対処"の基本となる。AX900-WCMは、瞬時にレンズを跳ね上げ、誰でも簡単に換気ができるシステム「ONE CLICK UP(ワン・クリック・アップ)」を採用。曇りのないクリアな視界を実現する。
AX800-XS
一人一人の顔に自然にフィットする「Personal Fitting(パーソナルフィッティング)構造」。鼻と両サイド部分に、やさしいカーブと厚みをもたせた「小顔フィットフェイスパッド」。「小顔さんの頭囲に合わせて"ベルトの長さ"を通常のレディースモデルよりも短い設定にした「小顔フィットベルト」。3つのトリプル効果が、着けた瞬間に違いがわかる「密着フィット」を実現した女性向けモデル。
著者:岸野真希子
スノーボード歴:26年
高1でザウスデビューし、一瞬でスノーボードの虜に。
在学中から雪山にコモりはじめ、雪を求めて夏はNZへ。
ショップ勤務後、スノーボード専門誌『TRANSWORLD SNOW boarding JAPAN』の編集者を経てフリーに転向。
2013年から白馬村に移住し虎視眈々と極上ラインを狙っている。
著書:HELLO HAKUBA VALLEY