2024-25シーズンは各地で豊富な降雪に恵まれ、スノーシーンは大いに盛り上がった。なかでもHakuba Valleyは11月下旬のシーズンインから好スタートを切り、シーズンを通して良質なパウダースノーを楽しむ歓喜の声が止まないほどの盛況っぷり。過去最高を更新する海外ビジター70.9万人を含む、総来場者177.6万人が訪れて大いに賑わいを見せていた。(3月末実績)
いま、3,000m級の山々が連なる北アルプス白馬連峰の麓に広がる3市村にまたがって10ものスキー場が点在するHakuba Valleyに、世界中がアツい視線を注いでいる。そこで、まだ極上シーズンの余韻が冷めやまぬHakuba Valleyの魅力と、来冬にむけて最大限に遊び尽くすためのヒントをいち早くお伝えしよう。
エリア内10スキー場で利用できる最強のチケット「バレー券」
国内屈指のマウンテンリゾートとして知られ、北アルプスを間近に望む絶景と豊富で良質な雪、多彩なスキー場の選択肢を誇り、まるで海外にきたようなリゾート体験までできるHakuba Valley。3市村にわたり南北約30kmのエリア内に10スキー場がひしめく、滑り好きにとってこの上ない環境が揃うウィンタースポーツのメッカだ。
Hakuba Valleyにある10のスキー場はそれぞれに経営母体が違い、個性も地形も魅力もまったく異なるのが面白味といえる。運営元が異なるので当然それぞれにチケットやシーズン券の販売をしているのだが、Hakuba Valleyのすごいところは、全10スキー場共通のチケットとシーズン券があるという点だ。つまり一枚のチケットで、超広大なフィールドを滑り尽くすことができる。同じ日の午前中と午後にスキー場のハシゴをすることも可能で、気分や天候、コンディションに合わせてベストなチョイスができるということ!シーズン券なら、訪れるたびに毎回違うスキー場を堪能することができ、Hakuba Valley全体をよりディープに楽しむことができる。
2025-26 Hakuba Valley全山共通シーズン券の最新情報
そんなHakuba Valley全山共通シーズン券(以下バレー券)の気になる価格や販売期間が発表された。もっともリーズナブルに購入できるリピーター割は、原則2024-25シーズンにバレー券を購入した人のみが購入できるもの。今回注目したいのは、リピーター以外がもっともお得にバレー券を購入できる、新たに設定された「超早割(国内居住割)」。販売時期が7月から8月中と早いものの、シーズンを通してHakuba Valleyを滑るのであれば、118,500円はかなりリーズナブルな価格と言える。
例年12月からGWまでの約5ヶ月間という長い期間スキー場がオープンしているので、単純に5で割ると月々23,700円となり、月に3、4回滑ればすぐに元は取れてしまう計算だ。またシーズン券を持っていればチケット購入の手間がなくすぐにそのままリフト乗車ができることも大きなメリット。ほかにもバレー券のお得な特典があり、シャトルバスの利用や日帰り温泉の入浴割引、ナイターリフト料金の割引などもあるので嬉しいお得が満載。Hakuba Valleyでたくさん滑るのであれば、早めに購入する価値は大いにある。
Hakuba Valleyをエリアごとにご紹介
Hakuba Valleyというと近年インバウンドが急増し、どこも混雑しているというイメージが強いという人もいるだろう。たしかにそれは事実であるが、必ずしも全てがそうというわけではない。なぜなら先にも紹介した通り、Hakuba Valleyは3市村にまたがる超広大なエリアなのだ。どう快適に過ごすかは自分次第!滑りも食事も滞在も選択肢が多いので、自分のスタイルにあった居場所を探せるのも醍醐味ということ。Hakuba Valleyで上手に遊ぶために、大町・白馬・小谷の3エリアに分けてそれぞれの特徴とスキー場の紹介をしていこう。
【大町】もっとも南に位置する大町エリア
大町市は、Hakuba Valleyの南側に位置し、黒部ダム・立山黒部アルペンルートの長野県側の玄関口としても知られる。爺ガ岳スキー場、鹿島槍スキー場ファミリーパークの2スキー場があり、仁科三湖と呼ばれる木崎湖、中綱湖、青木湖の3つの美しい湖、宿泊地としては大町温泉郷がある。Hakuba Valleyの中心からやや離れている分海外ビジターの殺到も少なく、ゆっくり過ごせるのでファミリーにもおすすめ。中央自動車道や長野自動車道から訪れる場合はもっとも近く、雪の量も白馬エリアや小谷エリアと比べると少ないので、雪道運転に自信がない人にとっては拠点にしやすい。スキー場の積雪量も全体的には少なくなるが、内陸に位置する分湿気の少ない軽い雪に恵まれる。
爺ガ岳スキー場
アットホームな雰囲気でコースの大半が初~中級斜向けの緩斜面のスキー場。ファミリーやビギナーが多く、広々としたちびっこゲレンデは子どものデビューに最適。ツリーランコース、林間コース、スノーパークなどバリエーションに富み、パークを楽しむスノーボーダーの姿も増えている。比較的混雑が少ないため、ゆっくり楽しみたい人にオススメ。
鹿島槍スキー場ファミリーパーク
雄大な鹿島槍ヶ岳(標高2,890m)を望むロケーションで、白馬エリアとはひと味違った景色が楽しめる。全長5,000mのロングダウンヒルや非圧雪コースなど滑りごたえ十分の環境に加え、ファミリーで楽しめるコンテンツが充実。「ポケモンスノーアドベンチャー」にはスノーエスカレーターが完備し、小さなキッズも大好きなキャラクターと快適に雪遊びを楽しめる。
【白馬】Hakuba Valleyの中心となる白馬エリア
白馬村には5つのスキー場があり、各スキー場の麓を中心に多くの宿泊施設や飲食店、白馬駅周辺にはスキー&スノーボードショップやアウトドブランドの旗艦店なども集まっている。エリアを象徴する白馬三山(白馬槍ヶ岳・杓子岳・白馬岳)の絶景が広がり、98年冬季オリンピック長野大会の会場となったジャンプ台も象徴的。外国人が多く集まるリゾートエリアはまるで海外旅行に来たような気分が味わえる一方で、昔から変わらない民宿やアットホームなロッヂ、ペンションなども多くある。6つの源泉が湧き出る珍しい温泉地でもあり温泉巡りも楽しみのひとつ。
White Resort 白馬さのさか
白馬エリア内でもっとも南に位置する森と湖に囲まれたスキー場。風の影響を受けにくい地形で他スキー場が強風でリフト運休時も高確率で営業していることが多く、モーグル好きやテクニカルスノーボーダーなどのコアなファンが多い。綺麗に圧雪された程よい幅と斜度のコースは練習しやすく、ファミリーや初中級者グループにもちょうどいい。青木湖を望む景観は必見!
エイブル白馬五竜
テレキャビンで北アルプスの絶景が広がる標高1,500m超のゲレンデピークにアクセスでき、良質な雪をロングシーズン楽しめる。急斜面から緩斜面、地形パークやコブコース、パーク、キッズエリアなど、なんでも揃う多彩なゲレンデと、温泉もある便利なベースセンター「エスカルプラザ」で快適に過ごせ、レベルを問わず多くの人で賑わっている。とおみゲレンデで期間中毎日営業しているナイターも人気で、幻想的な雰囲気の中で夜に楽しむスキー&スノーボードも格別。
Hakuba 47ウインタースポーツパーク
白馬五竜と上部で繋がりスキー場全体が北向き斜面のHakuba 47は、シーズンを通して抜群のコンディションを誇る。ビッグキッカーを筆頭にたくさんのアイテムが並ぶ「47パーク」は有名で、上級・中級・初級に分かれたレーンで多くのフリースタイラーが集まっている。パークだけでなく、白馬の街並を見降ろしながら爽快な滑りが味わえるロングコース、登録制の非圧雪ツリーゾーンも人気。
白馬八方尾根スキー場
白馬を代表するスキー場で、1998年長野冬季オリンピックの開催地でもある八方尾根スキー場。標高差1,000m以上、最長滑走距離8,000mの超ビッグゲレンデは滑りごたえ十分で、1日では滑り尽くせないほど。標高1,830mのゲレンデ最上部からの眺めは圧巻で、ただ景色を眺めるだけでも価値がある。ゲレンデは全体的に斜度がきつく中上級者向けだが、初心者が練習しやすい緩斜面もあるので、しっかりマップをチェックしておこう。
白馬岩岳スノーフィールド
360°の眺望を見渡せる抜群のロケーションが人気で、ノンスキーヤーも楽しめるコンテンツが満載の最先端リゾート。昨シーズン新ゴンドラが誕生し、景色を眺めながら快適に空中散歩が楽しめる。コースは自然の地形を巧みに活かして東西南北に広がり、壁やツリーなどナチュラルで遊べるポイントが点在する。人気のカフェや絶景テラス、開放感とスリルを味わえる名物の超大型ブランコも要チェック。
【小谷】雪深く自然豊かな小谷エリア
Hakuba Valley最北に位置する小谷村は日本海が近いので海から運ばれてきた雪がたっぷり積もり、白馬エリアと比べて降雪量がさらに増す。つがいけマウンテンリゾート、白馬乗鞍温泉スキー場、白馬コルチナスキー場の3スキー場はパウダーゲレンデとして人気が高く、白馬からのアクセスも良好。スキー場がある山麓エリア以外は静かな山間の村の雰囲気が強く、足を延ばせば個性あふれる温泉がたくさんあるので秘境巡りも楽しみ方のひとつ。スキー場から一歩離れると、賑やかなリゾートとはひと味ちがった静かな自然に出会える場所がたくさんある。
つがいけマウンテンリゾート
ゲレンデトップの標高が1,704mもあり、積雪量も雪のコンディションも抜群。上級者は事前講習で滑走できるツリーランエリア「TSUGA POW DBD」、キッズや初心者はゲレンデ下部に広がる幅1,200mの超ワイドな緩斜面「鐘の鳴丘ゲレンデ」と、広大なフィールドは誰でも楽しみやすい。スキー場内にあるレストランのバリエーションも豊富なので、食べる事も楽しみのひとつ。
白馬乗鞍温泉スキー場
初・中・上級者向けコースがバランスよくレイアウトする全14コースには、非圧雪コースやモーグルコース、キッズパークもあり、全レベルのスキーヤー・スノーボーダーが楽しめる。比較的混雑が少なく、コース幅の広いゲレンデでマイペースに練習できる環境が整っている。麓には大型リゾートホテル「アルプスホテル」があり、近年ペットフレンドリー・リゾート化を推進中。となりの白馬コルチナスキー場と繋がっている。
白馬コルチナスキー場
100%天然のパウダースノーが自慢で、Hakuba Valleyのなかでも雪質の良さと降雪量に定評がある。「自己責任エリア」として開放しているツリーランエリアに世界中から多くのパウダー好きが訪れ、降雪後の朝のリフト待ちの行列は名物となっている。最奥地ながら大型リゾートホテル「ホテルグリーンプラザ白馬」がゲレンデに直結するので、美味しい食事や温泉などなんでも揃って快適に過ごせる。
25-26シーズンはバレー券で遊び尽くそう!
ここまで駆け足で紹介してきたが、広大なHakuba Valleyにはまだまだたくさんの魅力が盛りだくさん!それは通えば通うほど発見できるので、7月にはじまる超早割期間でお得に全スキー場で利用できるバレー券をゲットして、自分だけのHakuba Valleyの楽しみ方を見つけてみよう。もちろん、それぞれに魅力ある10スキー場すべて制覇してみてほしい。早くも次の冬が待ち遠しくなってきたことだろう!
Photo: Hiroya Nakata
Photo:Ayako Niki
ABOUT Hakuba Valley
長野県北部の北アルプス山麓に位置する、雄大な山々に囲まれた地 “HAKUBAVALLEY”。1998年長野冬季オリンピックの会場となり、今日では世界中からウインタースポーツを楽しむ多くの方々が訪れる国際山岳リゾートです。
標高3,000m級の北アルプスから広がる大自然が作り出した壮大な山岳地形には豊富で良質なパウダースノーが降り積もります。初心者もゆったりと楽しめる整備されたゲレンデから、総距離8,000mものロングクルージングが楽しめるまで、個性豊かな10のスキー場で思い思いの滑りをお楽しみいただけます。
著者:岸野真希子
スノーボード歴:26年
高1でザウスデビューし、一瞬でスノーボードの虜に。在学中から雪山にコモりはじめ、雪を求めて夏はNZへ。ショップ勤務後、スノーボード専門誌『TRANSWORLD SNOWBOARDING JAPAN』の編集者を経てフリーに転向。2013年から白馬村に移住し虎視眈々と極上ラインを狙っている。
著書:HELLO HAKUBA VALLEY