長野県の南部、阿智村にある『ヘブンスそのはら』は岐阜県との県境付近に位置し、名古屋からクルマで約1時間とアクセスがよく、日帰りにも便利なスキー場だ。1996年のオープン以来「スキー専用」で営業を続けてきたが、今シーズンより待望のスノーボード滑走が解禁になっている。
トップの標高が1600mと高いことから雪質の良さや眺望は抜群で、晴天率の高さも魅力のひとつ。この素晴らしいゲレンデを、スノーボードで思う存分に楽しむことができるのだ。
今シーズンはスノーボードのレンタルやスクールが、まだ営業してないのが残念ではあるものの、早速ヘブンスそのはらへ滑りに行ってみてほしい。
滑る楽しさはもちろんスノーシューなどのアクティビティも充実。ボリューム満点のゲレ食や珍しいお土産品(写真のヘルメットは非売品)など、気になる話題がいっぱいのヘブンスそのはらを、トコトン満喫しよう!
1.天空のゲレンデへゴンドラで一気にアクセス!
雪質、眺望抜群のゲレンデへは、標高800mのゴンドラ山麓駅から12人乗りのゴンドラを使って標高1400mの山頂駅までアプローチ。
乗車中は標高が上がっていくごとに変わる景色を楽しもう。南アルプスの塩見岳や東岳、赤石岳、聖岳などが連なる眺望も最高。上りと下りで時間が変わるだけで見え方も変わってくるので要チェック!
全6コースのゲレンデは初級者向きのコースが50%、中級者向きが25%、上級者向き25%の構成。リフトは全3基ですべてのコースは圧雪されていてコンディションは抜群。また全コースがセンターハウス前に滑り込むレイアウトなので、友達が別のコースを滑っていても合流しやすい。
ゴンドラ山頂駅を降りたら、まずは「エンジェルコース」からセンターハウスに向かって滑走スタート!
エンジェルコースの斜度は平均9度で初心者のファーストステップ、基本練習に最適。子供たちのレッスンにも使われる快適バーンだ。
コース下部ほど幅が広くなっていくので安心感もアップ。並行するエンジェルリフトを使って繰り返し練習しよう!
センターハウス前から乗車しゲレンデのトップまでアクセスできるパノラマリフトがスキー場の中心に架かっていてメインリフトとなる。
リフト名のとおり、ゲレンデのトップで絶景の大パノラマを楽しむために架かっているリフトで、高速の4人乗りだから効率も抜群。乗車中も絶景を見たいなら右端に座るがおすすめ(笑)。
ゲレンデトップ「パノラマコース」のスタート地点は最高のフォトスポット。パノラマコース上部は少し斜度がきつくて初級者には難しいかもしれないが、この素晴らしい絶景まで楽しめるように少しでも早く上達しよう。
パノラマコース上部は雪質も最高。南アルプスに向かって滑ることができる、ヘブンスそのはらの中でも最高に気持ちいい条件が揃っている滑走ポイントと言えるだろう。
パノラマコース上部の大きなカーブを通過すると、センターハウスに向かって見通しのよいストレートなコースとなる。リフト沿いに美味しそうなカベ地形もあるが、まずは圧雪された気持ちいいコースで、気持ちいいターンを堪能しよう!
降雪機のオペレーションと圧雪技術の見事なコンビネーションで、とくに午前中は最高のコースコンディションが継続。ワンランクもツーランクもうまくなった気分で滑れるはずだ。
パノラマコース下部に向かって斜度が緩くなっていく。パノラマコース上部を滑る自信がなければ、ミルキーリフトからパノラマコースの中間部に合流できるので利用しよう。
「眺望最高」+「コースが極上」+「滑りが気持ちいい」=「おかわり確定」という流れは、とても自然(笑)
パノラマリフトを降りて左手は、初級者向けロングコース「りんどうコース」のスタート地点。そしてヘブンスそのはらで最もテクニカルな「トリッキーサウスコース」にもアクセス可能。注意してほしいのは、りんどうコースは途中のコース幅がとても狭いのと、下部は雪の状況によりクローズとなる場合もあって、その場合はトリッキーサウスを滑るしかない。ということからスノボ初・中級者には残念ながらNGだ。
でもほんの少しだけ滑ったところに、南アルプスだけでなく中央アルプスまで望める素晴らしいフォトスポットがあるから、中級者レベルであればぜひ行ってみてほしい。ここからパノラマコースへの迂回ルートがあるので、こちらを滑れば大丈夫。
絶景を楽しんだら、スノボ上級者はりんどうコースを通って、トリッキーサウスコースに向かってみよう。
りんどうコースはサイドにネットなどは設けてあるが、幅が狭いのでスピードの出過ぎに気をつけて、前を滑っている人やコケてる人を抜かす時などは細心の注意が必要だ。
トリッキーサウスコースの全長は短いが、最大30度の急斜面。前半部分の斜度がきついので、スタートから慎重に滑るようにしよう。
トリッキーサウスコースを滑るとそのまま「ミルキーコース」に合流。ミルキーコースは最大10度のワイドな緩斜面。エンジェルコースを卒業したらミルキーコースがおすすめ。グラトリの練習にも最適。
ミルキーコースならレベルの違う友達と一緒に楽しく滑ることができる。
2.ランチや休憩はどのコースからも立ち寄りやすいセンターハウスへ!
センターハウスはどのコースからも立ち寄りやすく、また滑りに行くのにも便利な場所にあるので、ランチはもちろん休憩にも気軽に利用しよう。
ランチのおすすめは、まずは味もボリュームも満点の南信州の名物「ソースカツ丼」。トンカツはサクサクの衣に包まれ甘みを感じる豚肉に相性抜群のしょっぱめのソースがかかり、ご飯とキャベツを絡めて口いっぱいにほおばれば、幸せ確定!
さらにヘブンスそのはらで、ぜひ食べてもらいたいのが、第6回信州チャンピオンメニュー決定戦(2018-19シーズン)のゲレ食バトルで優勝したラーメン「ヘブ二郎」だ。ラーメン二郎のインスパイア系でニンニクが効いた豚骨醤油のスープに極太麺、そして超巨大なチャーシューのガッツリ系ラーメンだ。一日限定20食なので、ぜひ売り切れる前にチャレンジを!
3.レベルに関係なく、誰でもすぐに楽しめるスノーシューもおすすめ!
ヘブンスそのはらではスノーシューでスノートレッキングを楽しむ人も多い。スキー場の管理区域外をガイドと楽しむ本格的なコース(事前予約制)もある「富士見台高原」エリアと、誰でも気軽に楽しめる「いわなの森」エリアの2コースがあって、マウンテンロッジではスノーシューの道具一式をレンタル(有料)している。
スノーシューで雪の上を歩いて、冬ならではの景色や雪の感触を楽しもう。スノーボードやスキーとはひと味違った思い出を残すことができるはずだ。いわなの森コースの1周は約1時間ほどが目安。スタート時間にもよるが、ゆっくり時間をかけて写真も撮りながら散策してくるのがおすすめ。
スノーシューを装着したら、とくに難しく考えることなくストックを使いながら普通に歩いてみよう。傾斜のあるところの上り下りはゆっくりと歩いて、慌てないことが大切。
森の中に差し込んでくる太陽の光で、木々の枝が生き生きと輝き、降り積もった雪にその影が落ちて幻想的な空間となる。そこを歩いているだけで楽しく、心は癒やされてくる。
いわなの森にある「風の池」は記念写真のイチ押しポイント。
4.便利な有料休憩スペースも活用しよう!
ヘブンスそのはらでは、有料だけど仲間やファミリーにおすすめの休憩スペースを用意している。まず最初に紹介するのは、センターハウス横にある1棟貸切ログハウス型「Luxe(りゅくす)」。1日(9時〜15時30分)1組限定。2名〜6名での利用が可能で料金は7000円(事前予約制)。
室内は山小屋そのものの落ち着いた雰囲気、暖房も完備で雪降りの日には手袋やビーニー、ウエアも乾かすことができる。基本的にセンターハウスで購入した食事や飲み物などは室内で飲食OKだ。
パノラマコースが正面、パノラマリフトとエンジェルリフトの乗り場が目の前という便利な立地で超快適!
次に紹介するのは、キッズワールド内にあるデイグランピング「Luxe」のドームサイト。こちらのドームは2棟あって、定員は1棟につき2名〜6名で1日(9時〜15時30分)1万円(キッズワールドの入場料を含む)だ。
直径5mのドーム空間でこちらも暖房完備。ドームの骨組みに使われている資材は精神を安定させ、免疫力を高める香り成分があると言われている「ひのき」というのもポイント。
キッズワールド内にあるので、雪遊びなどを楽しむ子供がいるファミリーなどに、とくにおすすめ。
最後はマウンテンロッジの2階にある貸切スペース「ウインターLUXE(りゅくす)」。こちらの有料スペースは土日祝日の限定で予約は不要だが、先着3組まで。混雑する週末などに専用スペースで休憩したり、食事ができるのはとても便利。定員は最大6名で料金は1日5000円(9時〜15時30分)だ。
5.到着時はもちろん、帰る前にも立ち寄りたいゴンドラ山麓駅!
ヘブンスそのはらに到着したら、まずは山麓駅でリフトチケットを購入しよう。山麓駅内にはレンタルコーナーもあるが、今シーズンはまだスノーボードのレンタルは行ってない。
今シーズンよりリフト券などをお得に事前購入できる「WeTICKET」を導入。スマホやパソコンで事前に購入すれば料金が割引になるだけでなく、リフト券売り場横に設置されている端末に送られてきた(パソコンで購入した場合はプリントアウト)QRコードをかざすだけですぐにリフト券が発行される。
お土産の品揃えも充実。地元の特産品はもちろん、注目はスターショップコーナーの星や宇宙に関連したテーマとしたお土産品。JAXA(宇宙航空研究開発機構)商品など、他のスキー場にはお目にかかれないお土産品を販売している。
またチケット売り場横では、美味しいコーヒーやソフトクリームなどを販売している。最後に温かい飲み物を飲んだり、甘くて美味しいソフトクリームを食べて、気持ちよく帰ってほしい。
最後に、ヘブンスそのはらのある阿智村は、環境省から認定された日本一星空が綺麗な村。街の明かりなどが届かない山頂で、満天の星空を楽しむナイトツアーを3月30日まで(スキー場の営業は23日まで)開催している。ちょっと寒いけど、冬の星座を辿り、宇宙の広大さを体感する特別な夜を、ぜひ気の合う友達や大切な家族と過ごしてみてほしい。
Photo & Text by Tomohiro WATANABE
ヘブンスそのはら
名古屋からクルマで約60分、中央道・園原ICを降りてわずか5分でアクセス可能。ゴンドラで標高1400mにある山頂駅まで上がったエリアに、初心者から上級者まで楽しめるコースを用意。ゲレンデトップ標高1600mから望む絶景は感動もの。今季よりスノーボードが全面解禁となり、雪遊びゲレンデ「キッズワールド」もリニューアル。美人の湯で評判の昼神温泉にも近く、滑った後の温泉も楽しめる