ウィンターシーズンも本格的な時期になってきました。
非日常の雪山でスキーを楽しむ時間は、最高に気持ちがいいものですよね。
しかしその一方で、滑る前に正しい知識と安全意識を持っているかどうかで、ケガや事故のリスクは大きく変わります。
事前に知っておくことで防げる事故も多くあり、ぜひこの機会に、滑走前の準備や用具の状態をもう一度見直してみてください。
今回は、ゲレンデに出る前に知っておいてほしいスキー用具のセッティングや装備に関する大切なポイントをご紹介します。

ブーツとビンディングの組み合わせ

「どんなスキーでも、どんなブーツでも、組み合わせは大丈夫」そう思っている方はいませんか?
実は、ブーツとビンディングにはさまざまな種類があり、正しくないセッティングによって、大好きなスキーが一瞬で嫌な思い出になってしまったり、短いシーズンを棒に振ってしまうこともあります。

from ケガ事例

ブーツとビンディングの組み合わせが正しくないことを知らず、滑走中に転倒して大けがを負ってしまった・・・

スキーのセッティングを知っているだけでは危険!

スキーのビンディング(金具)の調整とは?解放値って何?
長年スキーを滑っている方でも、「知っているつもり」になっているケースは少なくありません。ぜひ、もう一度確認してほしいポイントです。

・スキービンディングの解放値ってなに?

スキービンディングの解放値とは、転倒などで強い力が加わったときに、ブーツをビンディングから外す強さの設定値のことです。
数値が低いほど外れやすく、高いほど外れにくくなります。

・解放値が適切に設定されていないと・・・

from こんな怪我の事例があります。

・滑走中に転倒。ビンディングが解放せず、膝の靭帯断裂・・・ (解放値が強すぎたケース)

・普通に滑っているだけで板が外れ、転倒・・・ (解放値が弱すぎたケース)

・解放値はどうやって決まる?

解放値は、次のような要素をもとに国際規格によって設定されます。
【主な設定要素】
•体重
•身長
•年齢
•スキーレベル(初級・中級・上級)
•ブーツサイズ(ソール長)
これらを国際規格に準じて一人ひとりに適した解放値が決まります。

・自分で調整してもいいの?⇒基本的にはおすすめしません。

・ビンディングの調整作業を行なうことはPL法の製造業者とみなされます。
・ビンディングの取り付け/調整工程は国際規格に準じて行う必要があります。
そのため、強くおすすめしたいのはS-B-B認定整備技術者が在籍するショップでの調整です。

S-B-B認定整備技術者とは

スキー板・ビンディング・ブーツの3要素について正しい知識を持ち、安全に取り付け・調整を行うための専門技術を有する、日本スキー産業振興会(JSP)認定の技術者です。
※ISO11088(S-B-Bシステム)に準拠した安全基準に基づいています。

from 危険!自分ではやらない方がいい

用具をもし「譲り受けた」「ネットオークションなどで買った」という方は、用具の状況を見極める必要があります。
・ブーツやヘルメットは経年劣化の対象期間を過ぎていないか。
・ビンディングをブーツの組み合わせとして正しい組み合わせであるか。
・保証書はついているか。
などです。
自分でのセッティングはせず、必ず専門知識のあるショップで確認してもらうことをおススメします。

【スキー用具のセッティング相談はこちら】
S-B-B認定整備技術者のいるショップへご相談ください

ヘルメットの重要性。しっかり守って、後悔しないために。

スキー・スノーボードは自然の中で楽しむ爽快なスポーツですが、転倒や衝突による事故のリスクがゼロになることはありません。
そのリスクを大きく軽減できる有効な手段が、スキーヘルメットの着用です。
スキー場で起こる事故の中でも、特に注意が必要なのが頭部への衝撃です。
・転倒時に雪面へ頭を打つ
・他の滑走者との接触
・立木・支柱・地形との衝突
ヘルメットは、こうした衝撃を吸収・分散し、重傷を防ぐ重要な役割を果たします。
近年ではヘルメットの着用率も年々高まり、安全性とともに、ファッション性や快適性も進化しています。
頭部へのダメージ軽減を得ることで、安心感が増し落ち着いて滑れ、防寒性も向上しているだけではなく、軽量で通気性も良く、ゴーグルと相性抜群と、快適性も進化しています。

・子どもから大人まで、着用は当たり前に

安全意識の高い海外のスキー場では当たり前のスキーヘルメット着用文化。
日本でも、子どものヘルメット着用は常識となっており、大人の着用率も年々高まっており、初心者、久しぶりに滑る方、ファミリー利用を中心に着用が広がっています。

・安全は、楽しい思い出の第一歩

「上手い人は被らない」は、もう昔の話プロスキーヤーやインストラクター、競技選手の多くはヘルメットを着用しています。
ヘルメットは「怖いから被るもの」ではなく、自分と周囲を守るための装備です。
安全に滑ることは、自分自身だけでなく、一緒に滑る仲間や家族を守ることにもつながります。
スキーヘルメットを着用して、安心・安全なウインタースポーツを楽しみましょう。

ブーツ/ヘルメットって劣化するの知ってます?

スキーブーツ・ヘルメットの「経年劣化」スキーブーツやヘルメットは、見た目がきれいでも安全性能が低下していることがあります。
「まだ使えそう」「壊れていないから大丈夫」そう思って使い続けている装備が、本来の役割を果たさなくなっているかもしれません。
経年劣化とは?
経年劣化とは、使用回数に関係なく時間の経過によって素材や構造が弱くなることです。
性能上の製造から約5年といわれてはいますが、保存状態によっては劣化スピードが加速する場合もございます。

ヘルメットの選び方としても頭を守るアイテムとしてCE:ヨーロッパの安全基準やASTM:アメリカの安全基準、日本でもSG規格の基準をクリアした製品を推奨します。

さらに身体を守るならプロテクターが有効

【スノースポーツにおけるプロテクターの必要性】
スノースポーツにおいて、プロテクターの着用は非常に重要です。転倒や衝突による怪我のリスクを大幅に軽減し、安全性を高める役割を果たします。
プロテクターといっても、手首・膝・肘・背中・お尻・腰などいろいろな種類がありますが、スノースポーツでは、転び方が予測しづらいため、特定の部位を重点的に守ることが重要です。
① 転倒は誰にでも起こる
初心者だけでなく、慣れてきた頃スピードが出ているとき、疲労がたまったときに転倒は起こりやすくなります。

② ケガは「軽い転倒」でも起こる
•手をついた際の手首の骨折
•尻もちによる尾てい骨の打撲
•背中から転んだ際の強い衝撃
雪が柔らかく見えても、圧雪やアイスバーンでは大きな衝撃になります。

③ ケガのリスクを下げ、安心して滑れる
プロテクターを着用することで、ケガの重症化を防ぐことで不安が減り、落ち着いて滑れる
結果として、無理のない安全な滑走につながることも期待できます。

特にプロテクターの着用をおススメしたい人

•スキー・スノーボード初心者
•久しぶりに滑る方
•キッズ・ジュニア
•スノーボード利用者
•ジャンプやパークを利用する方
特に重大な怪我につながりやすい背中を守るプロテクターは有効的といえるでしょう。

とにもかくにも、
スノースポーツは安全な装備が、楽しい思い出をつくるといっても過言ではなく、スノースポーツを長く楽しむためには、ケガをしないことが何より大切です。
安全意識を自身で高め、安全で快適なウインターシーズンを楽しみましょう。

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