北海道札幌市の南西部、新千歳空港から車で約2時間の距離に位置しているニセコ。世界中から観光客が訪れ、ハイシーズンともなれば、街に居る半数以上が外国人になってしまうという不思議な街。世界トップクラスのパウダースノーを味わえるのはもちろんだが、海外のようなオシャレな街並み、美味しい食事、温泉、そして笑顔溢れる街の雰囲気がとても楽しく、虜になったリピーターが後を絶たない、日本が世界に誇る超人気スノーリゾート。
パウダースノーの楽園
一本滑るごとにバーンがリセット! なんて贅沢な日もあるほど降雪量が多く、一晩で別世界になることは日常茶飯事。海が近い影響で、道東エリアなどに比べるとやや水分の多い雪が降る。その雪質は、軽すぎず、重すぎず、程よく踏み応えのある、とにかく気持ち良くさせてくれる極上クリーミーパウダー。そんなパウダーをゲレンデ内でも十二分に楽しむことができるのがニセコの素晴らしいところで、一度良い日に当たったら、ヤミツキになること間違いなし。
ワイルドに滑るナチュラルフィールド
ニセコの大自然を安全に楽しんでもらいたいと考えた先人達が、長い時間をかけて地域自治体とともに作り上げたのが、“ニセコルール”という特殊なルール。これにより、ゲレンデからのアクセスで素晴らしいポイントへ到達することができ、雪や天気の条件が揃えば、それはもう最高!! ゲレンデとは違う“山を滑る”という感覚はこれまたヤミツキになってしまうのだが、“ニセコルール”の尊重が最優先だということを、くれぐれも忘れずに。
ニセコに広がる4つのスキー場
ニセコには“アンヌプリ”という標高1,308mの大きな山があり、横にも広がる地形を活かして4つのゲレンデが連なっている。この4つのスキー場は総称“NISEKO UNITED.”と呼ばれていて、オーストリアで開催されているワールドスキーアワードにおいて、日本のベストスノーリゾートとして3年連続最優秀賞を受賞している。各ゲレンデにはそれぞれ特徴があるので、初心~上級者まで、レベルに合わせたゲレンデセレクトが可能。
ニセコHANAZONOリゾート
マップ上一番右に位置するニセコHANAZONOリゾートは、4つのゲレンデの中で最も北面に位置しているため良い雪質がキープされやすい。リフトは3基と少なめだが、上質なパウダーを味わえるポイントがあちこちに点在している。また、道内最大級のテレインパークもあるのでパークも楽しみたい人には特にオススメ。ここ数年はバンクドスラロームの大会も開催されており、さまざまなスタイルのスキーヤーとスノーボーダーで賑わっている。
ニセコマウンテンリゾート グラン・ヒラフ
HANAZONOリゾートの左に位置するニセコ グラン・ヒラフは、国内最大級のスケールを誇る大規模なゲレンデ。コースバリエーションが豊富で施設も充実しているので、初心~上級者までどんな人でも楽しむことができる。また、山麓には飲食店やショップ、宿泊施設が立ち並んでいるので、アフタースノーも充実。ハイシーズンは混み合うこともあるが、初めてのニセコでゲレンデを悩んでいるのなら、まずはグラン・ヒラフを選ぶのがオススメ。
ニセコビレッジスキーリゾート
さらにその左側に位置するのは、卵形のコロンとしたゴンドラが目を惹くニセコビレッジスキーリゾート。初級者用コースもあるが、どちらかと言うと中級~上級者にオススメのゲレンデで、様々な起伏、急斜面、沢地形、そして最長約5kmのロングラン! もちろん、パウダーを楽しめるポイントも点在している。“なまら” “じゃがいも”といった、北海道にちなんだコース名も面白い。また、世界的高級ホテルとして知られるヒルトン ニセコビレッジからも直結していて利便性もよい。
ニセコアンヌプリ国際スキー場
マップ上一番左にあるニセコアンヌプリ国際スキー場は、コース幅が広く開放感抜群の緩斜面もあるので、初級者やファミリーでも安心して楽しめるゲレンデ。また、隣のニセコビレッジスキーリゾートはもちろん、ニセコ グラン・ヒラフへのアクセスも良く、ニセコルールで定められたゲートも数カ所あるので上級者ももちろん満足できる。年々観光客が増加しているニセコエリアだが、他の3つのスキー場に比べると比較的空いているので混雑を避けたい人にもオススメ。
年々人気が高まり、それに比例してゲレンデ内が混雑してきているニセコエリアだが、まだまだ穴場スポットと言えるゲレンデもある。まず、ニセコアンヌプリ国際スキー場の隣に位置する小規模なモイワスキーリゾート。リフト数は少ないが楽しめるポイントは点在していて、午後でもパウダー率が高い! また、倶知安駅近くの倶知安町旭ヶ丘スキー場は、ローカル感たっぷりのファミリーゲレンデで、初心者ファミリーでものんびりと楽しむことができる。さらにニセコ連邦最西端まで足を延ばせば、日本海が一望できる、ニセコいわない国際スキー場もある。こちらはキャットツアーも開催しているので、パウダースノーを独占できちゃうかも!?
text: Natsuko Matsumura