スキーの軽量化が近年のトレンドとなっているのはご存知だろうか? スキー板選びの際は「長さ」「硬さ」「種類」「センター幅」の4つに着目して選ぶのが一般的だが、今回はスキー板の「重さ」に注目してみよう。競技スキーの世界では持ってみるとびっくりするほど重い板がほとんどで、上級者向けのスキーほど重たいというイメージがあるが、必ずしもそのセオリーが通じなくなってきている。一般的に、板が軽いと操作がラクで疲れにくいのがメリットだが、スピードを出すと板がバタつきやすく、硬いバーンでは安定性に欠けるとされてきた。だが各メーカーの技術革新の結果、軽量かつ高剛性なカーボンファイバーなどの先進素材をスキー板の芯材や構造に取り入れるなどで、大幅な軽量化を実現しつつ、必要な強度と安定性を確保したスキーが登場して人気が高まっているというのが市場の流れだ。特にバックカントリーやツアーリング、そしてゲレンデでの操作性を重視するモデルで顕著で、軽量でありながら高速滑走時や悪雪でも安定感を発揮するモデルの開発が進み、「重い板は安定感があり、軽い板は操作性が良い」というのは、ひと昔前の話になりつつある。そんな、単に軽いだけでなく、安定性や滑走性能を両立させた、最新スキーをご紹介しよう。
HEAD(ヘッド)
KORE 88 TI
フリーライドスキーの代名詞であるKOREシリーズがフルモデルチェンジ! 新しいスキーはチタナールをスキーに挟み込み、より高速安定性とエッジグリップ力が向上した。素材を見直し吟味することで、スキーの重量は今までのKOREスキーとほぼ変わらず、特にセンター幅の細い88TIはゲレンデのカービングに最適なオールマウンテンスキーとなっている。
PURE JOY
HEAD JOYシリーズは、女性がJOYな気分になれるよう女性がエンジニアリングした女性専用スキー。スキー自体も軽量化されているが、滑走時にもスキーが軽快に動くので気持ちよくスキーが楽しめる。少ない力でスキーがキレイにたわみ、気持ちのよいカービングターンが刻めるモデル。
K2(ケーツー)
BLUR XT
まったく新しく作られたBLUR XTは、スムーズで直感的にターンを開始できるように設計されている。 スピードを出しても足元とエッジ際に伸びるメタルプレート・H Beamで安定感と確実なエッジコントロールを得ることができる。
BLUR 74 W (WOMEN’S)
BLUR 74 W は、俊敏なショートターンの感覚を好む女性に最適なスキー。グルーミングでのしっかりとしたカービング向けに設計されており、心材に溝を切ったエアチャネルとアスペンマイクロブロックコアのおかげで、軽さの中でもしっかりとした安定感を可能にしている。
OGASAKA SKI(オガサカスキー)
CF + マーカー FDT TP 10 BK/AN付モデル
軽さと操作性の良さが際立つNEWコンセプトスキーが、より幅広い層のスキーヤーが楽しめるようにアップデート。一日中滑っても疲れにくい軽さに加えてコントロール性が抜群なため、ズラしながらのスピードコントロールが容易に。不整地でも筋力に頼らない、自重をうまく利用した操作性が可能。幅広い層のスキーヤーに楽しんでもらいたいモデル。
VOLKL(フォルクル)
PEREGRINE X
センターサイドウォール効果によって少し踏み込むだけでオートマチックに雪面グリップができ、軽量でありながらチップロッカー構造により低速でもターン操作がしやすいことが特徴。まさにカービングスキーをもっと楽しみたいスキー入門者から中級者に最適な1台。
SHINE 72(WOMEN’S)
入門者モデルながら、センター部のサイドウォール効果で少ない力で程よく雪面をグリップでき、低速でスキーを操作しやすく基本的なスキー技術をいち早く習得可能にするモデル。落ち着いたカラーリングで洗練されたデザインも魅力のひとつ。
著者:岸野真希子
スノーボード歴:27年
高1でザウスデビューし、一瞬でスノーボードの虜に。
在学中から雪山にコモりはじめ、雪を求めて夏はNZへ。
ショップ勤務後、スノーボード専門誌『TRANSWORLD SNOW boarding JAPAN』の編集者を経てフリーに転向。
2013年から白馬村に移住し虎視眈々と極上ラインを狙っている。
著書:HELLO HAKUBA VALLEY