群馬県にある丸沼高原は、大自然に恵まれた日光国立公園内にある人気リゾート。ベースの標高は1600mで日光白根山ロープウェイを使って標高2000m地点まで誰でも簡単にアクセスすることができる。この標高の高さから夏は都市部の猛暑を忘れてしまうほどの涼しさが魅力で、冬にはスキー場として12月から5月のゴールデンウイークまで国内屈指の営業期間の長さを誇っている。
標高の高さは気温だけでなく、眺望の素晴らしさも抜群。夏の暑さで疲れた身体とココロは、涼しさと美しい景色にゆっくり癒やされながら、美味しい食事やドリンクを堪能することもできる。
自然の中で身体を動かす楽しさ、気持ちよさを感じることができる「ツリーアドベンチャー」と「サマーリージュ」は丸沼高原の大人気アクティビティ。友人や家族で、一緒に楽しむ人が多いほど盛り上がるので、ぜひトライしてみてほしい。
また冬はスピードに乗って気持ちよく滑れる広大なゲレンデの一部を、夏はオートキャンプ場として開放。自然の中で自由に遊んだり、おしゃべりをしたり、食べたいときに食べて、呑みたい時に呑んで、寝たいときに寝る。普段の生活ではなかなかできない、大切で贅沢な時間を過ごすことができる。
そして関東以北で最も標高の高い日光白根山への登山にもチャレンジしてみて欲しい。トップの標高は2578m。気温も涼しいロープウェイ山頂駅付近よりさらに低く、晴れた日は最高の眺望を楽しむことができる。
そんな夏の丸沼高原の魅力を、詳しく紹介していこう!
丸沼高原の標高2000mに広がる超快適空間でノンビリ過ごそう!
丸沼高原は夏だけでなく冬のシーズンも8人乗りの日光白根山ロープウェイを利用して、標高2000m地点まで一気に上がることができるのが人気の理由のひとつと言えるだろう。ゴンドラ乗車中の眺望も最高だ。
近年、夏の猛暑は厳しくなるばかり。今年は特にツラいと思った人も多いはず。条件にもよるが気温は100m標高が上がるごとに約0.6度下がるので、標高2000mの地点では標高の低い都市部との気温差は単純に10度以上低くなる計算だ。ロープウェイを降りると、下界の暑さはどこへやら。しかもいきなり日光白根山の絶景まで楽しめる超快適空間だ。
冬は一面雪で覆われる山頂エリアは、夏は「ロックガーデン」として高山植物の花を楽しみながら散歩することができる。
開花時期はそれぞれ違うが、トリカブトやエゾリンドウ、コマクサ、シラネアオイなどの貴重な高山植物が、かわいらしい花を咲かせていて、眺めているだけでも癒やされる。
ロックガーデンのすぐそばで、森の中を気軽にお散歩が楽しめるエリアがあるので行ってみよう。傾斜は緩やかで、ウッドチップが敷き詰められているためクッション性があり、とても歩きやすい。
森の中に少し入っただけでロックガーデン以上の涼しさを感じるだけでなく、気持ちがやさしく落ち着いていくような、不思議な感覚も得られるはず。椅子やベンチが置いてあるところもあるので、歩を止めて、しばしゆっくりと過ごしてみるのもおすすめ。
ロックガーデンから白根山の方向に少し進んだ先には、社の朱が印象的な「二荒山神社」がある。先ほどの森の散策路をさらに奥へと進んでもアクセスできる。
写真がとても映えるスポットでもあるので、丸沼高原に来たら、ぜひ立ち寄って参拝しよう。お賽銭は現金だけでなく、なんとQR決済(PayPay)でも可能(笑)
おみくじもQR決済(PayPay)でOKだ。ちなみに運試しにと買ったおみくじが、偶然にも大吉が出て大喜び!
ロープウェイ山頂駅からゲレンデ方面に歩くと小高い場所に「天空テラス」がある。ウッドデッキで整備されたテラスからの絶景が、控えめに言って最高!
暑い夏の時期でさえも、太陽と青空がこれほど気持ちよく感じられるところは、他にはないんじゃないかって思えるくらいの場所だ。
テラスの横には、涼しい風を感じ、空や景色を楽しみながら入れる足湯がある。歩き疲れた後などにもおすすめ。利用する際は足拭き用のタオルの準備を忘れずに!
山頂エリアでの休憩やランチは「天空カフェ」がおすすめ。日光白根山やロックガーデンを眺めながら、美味しい食事やドリンクが楽しめる。
天空カフェで大人気なのがボリューム満点の「白根山バーガー」。休憩やデザートにはスイーツメニューも用意。「アップルパイのアイス添え」のアップルパイは手作りで、甘さ控えめの美味しさが魅力。
天空カフェで購入したドリンクは、天空テラスで飲むこともできる。
山頂駅に隣接する「山頂しらね」でも食事や喫茶メニューを用意。店内の大きな窓に、まるで絵画のように浮かび上がった日光白根山の雄姿を楽しみながら食事を採ることができる。
誰でも気軽に楽しめて、繰り返しトライしたくなるサマーリージュとツリーアドベンチャー!
夏でも屋外のアクティビティで楽しく遊ぶことができるのも、涼しい丸沼高原だからこそ。まず紹介するのは「サマーリージュ」。専用のカートに乗って、斜面(専用のコース)を滑走する大人気アクティビティだ。
傾斜を落下していく力を利用するので、エンジンなどの動力はない。スピードの調整をしたり方向を変えるのもハンドル一つだけで操作するのだ。初めて体験する場合は、レクチャーしてくれるので安心。
車体が低いのでスピードが思っている以上に早く感じることもあって、最初は怖いと思うかもしれない。でも1回目よりも2回目、2回目よりも3回目と楽しさが倍増していくのがサマーリージュの魅力!
ひとりでも楽しめるが、友達や仲間と一緒にワイワイと楽しく滑走するのもおすすめ。
次に紹介する「ツリーアドベンチャー」は、木の高所に設置された足場から足場へ結ぶエレメント(ロープや吊り橋など)を渡って移動していくアクティビティだ。絶対に落ちることがないようにハーネスなどを装着してもらってからスタート。ただ落ちないとわかっていても、なんとも言えないスリルを味わえるがツリーアドベンチャーのおもしろさなのだ。
丸沼高原のツリーアドベンチャーは「ビギナーコース」「ジップコース」「エキスパートコース」の3コースを用意。初めての人はビギナーコースからスタート。ビギナーコースとはいえ、それなりに難しいところもある。でも難しく感じるほど、なぜか楽しくなってくる(笑)
最後はジップラインで気持ちよくフィニッシュ。3コースとも最後はすべてジップラインとなっている。
ビギナーコースが問題なければ、次のおすすめはエキスパートコース。エレメントの難しさもアップするが、地上からの「高さ」もアップするので、さらにスリル満点!
本当はドキドキしてしまっているエレメントも、いつの間にか笑顔でトライできているようになっていれば合格(笑)。慎重かつ大胆にクリアしていこう!
「スノーボードに乗るの?」と、クリアするのに少しだけ想像力が試されるエレメントもある。
そして、まさかのボルダリングのエレメントも(笑)。もちろん、例え足を滑らせてしまっても下に落ちることはありません。
エキスパートコース、ラストのジップラインは高さも長さもあって超気持ちいいと評判。ただ長いので身体の向きを安定させておかないと、ランディングでうまく立てないことも・・・。
両手を広げ余裕の笑顔で、最高のフィニッシュを決めよう!
めちゃくちゃ開放的なゲレンデを利用したオートキャンプも大人気!
夏の丸沼高原はオートキャンプ場としても、絶大な人気を誇っている。
その理由は標高1500m付近という高さと、開放感たっぷりのスーパーワイドエリアのフリーサイトで、プラスαで電源付きの区画サイトも10サイト用意されている!
クルマでポイントまでアクセスできるから、移動も荷物を運ぶのもとても簡単。テントさえ張り終えたら、後は気分次第で自由に過ごせるのがオートキャンプの魅力。とりあえず、昼間から呑んじゃうこともOK。お酒が呑めなくたってノンアルでも気分はアゲアゲ!
なんかおつまみが欲しいとかお腹が空いたら、適当にちゃちゃっと料理。眠たくなったら、寝てしまったり、おしゃべりを続けたりと、気分次第で好きなように過ごす。時間も気にしない。たまには、そんな贅沢も楽しんでみよう。
夜になって空を見上げれば、真っ黒い空を埋め尽くすように瞬く満天の星に感動することも。夏でも天気次第で星がきれいに見えるのは、やはり標高の高さがポイントになってくる。
たき火に癒され、マシュマロを焼きながらゆっくり会話を楽しんで、眠くなるのを待ち、楽しかった1日を終える、というのもおすすめだ。
関東以北で一番高い「日光白根山」の登山にも挑戦。山頂で見渡せる大パノラマは圧巻!
関東から北海道までのエリアで最も高い「日光白根山」への登山にも挑戦してみよう。白根山山頂の標高は2578mだが標高2000mの日光白根山ロープウェイの山頂駅からスタートできるので、装備さえしっかり準備できれば、登山初心者でもOK!
登山ルート前半は涼しい樹林帯の中を移動。登山道は基本的に整備されているので歩きやすい。
登山中にかわいらしいキノコや高山植物を発見すると足を止めて感動したり、写真を撮りたくなる気持ちもわかるが、ほどほどに(笑)。山の天候は変わりやすいので、まずは山頂を目指そう!
途中の大日如来像で登山の安全を祈願しながら、ちょっと休憩。
夏に限らず、登山中は水分補給と休憩を忘れずに。また水分は一気にたくさん飲むのではなく、少しずつ飲むようにすること。汗を大量にかいていたら、タブレットやおやつなどで塩分も摂取しよう。
樹林帯の後半は、少し登りがきつくなるが森林限界を超えると、一気に視界が広がって、素晴らしい眺望を楽しみながら登ることができる。
山頂に近づくにつれ、足下が砂利や岩場が多くなって登りにくくなってくるが慌てず、ゆっくり登ることを心がけよう。
山頂まであと200mという地点の標識で休憩。山頂までの残りは岩場が続くので慎重に登ろう。
山頂駅前から登山を開始して、ゆっくり歩いて休憩も入れて、約2時間30分で見事に登頂。一般の登山者で平均2時間前後。かなりゆっくりのペースでも3時間ほどでアプローチできるはずだ。
山頂からは360度見渡せる大パノラマを堪能しよう。この日は残念ながら雲にかかっていて男体山を見ることはできなかったが、眼下に中禅寺湖を見ることはできた。
山頂から少し移動して、眼下に五色沼が見えるところで最高なランチタイム。ここはコンビニで買ったおにぎりでさえ、人生で最高のごちそうに感じられる場所になるかもしれない(笑)
ロープウェイ山頂駅から白根山の山頂へは「白根山ルート」が一般的で往復とも利用する人が多い。もうひとつの「弥陀ヶ池ルート」は上部の斜度がきつく、岩場も難しいので初心者にはおすすめしないが、眺望は抜群。眼下に弥陀ヶ池や菅沼、そして山頂駅付近も望むことができる。
便利な売店や日帰り温泉施設も好評。秋の紅葉シーズンも魅力的!
温泉は源泉掛け流しで疲労回復や神経痛などに効果があり、冷え性や美肌効果もある泉質なので女性に大評判。
丸沼高原のベースにあるセンターステーションはロープウェイのチケット売り場などがある便利な施設。チケット売り場のある2階には日帰り温泉入浴施設「座禅温泉」もあり、登山帰りやアクティビティを楽しんだ後に汗を流して帰ることもできる。
入浴後に休憩できる小上がりの広間もある。疲れを温泉で癒やし、しっかり身体を休めてから帰宅しよう。
センターステーション1階には売店があり、お土産などを購入することができる。お土産品以外にも登山用品も置いてあるので、忘れてきたモノがあったとしても、ここで用意できるかもしれない。登山前にちらっと立ち寄ってみるのもおすすめ。
この売店でしか買えない丸沼高原のオリジナルグッズも大人気。モノによっては数やサイズが少ないものもあるので、気になるモノがあったら即購入がベスト!
10月に入ると丸沼高原は紅葉シーズンがスタート。山が鮮やかに彩られた絶景を、ロープウェイのゴンドラに乗ってゆっくりと楽しむことができる。例年、10月中旬ごろが紅葉のピークでロープウェイの営業最終日11月9日まで楽しむことができる。11月になると日光白根山の山頂付近が雪で白くなって、中腹の紅葉と、下部の常緑樹の緑が織りなす「三段紅葉」が見られることもある。
Photo & Text by Tomohiro WATANABE
丸沼高原キャンピングバレイ
群馬県と栃木県、そして福島県の3県にまたがって豊かな自然が残る日光国立公園内にある丸沼高原。日光白根山ロープウェイで標高2000mの山頂駅まで簡単にアクセス可能で、グリーンシーズンは日光白根山登山をはじめ、広大なゲレンデを利用したオートキャンプやサマースキー、そしてツリーアドベンチャーなどのアクティビティが充実。冬はスキー場として約5ヶ月間にもおよぶロングラン営業を誇る。食事やスイーツの充実度も高く、女性や幅広い世代にも好評の通年型リゾート。