スキーの買い替えやフリースキーを始めたいと考えたとき、性能もデザインも妥協したくない――。そんな一本を探すスキーヤーの間で、いま静かに存在感を高めているのが日本発のフリースキーブランド「ZUMASKIS(ツマスキー)」だ。母体は、長野・飯山で70年以上ものづくりを続けてきた老舗、株式会社スワロースキー。長年培ってきた製造技術と、世界のトップシーンで磨かれた実力を兼ね備えたその中身を、2026-2027シーズンの最新ラインナップとともに紐解いていく。
雪国・飯山で培われた70年。ZUMASKISの原点
ZUMASKISのルーツは、1953年に長野県飯山市で設立された「飯山スキー工業所」にさかのぼる。豪雪地帯に生きる人々の足を支えてきた同社は、1961年に中小企業モデル工場に指定されグラスファイバースキーを開発。1970年には登山家・三浦雄一郎氏のエベレスト滑降用スキーに採用されるなど、日本のスキーづくりの歴史とともに歩んできた。1964年には社名を「スワロースキー」と改め、1973年にはスーパーRIMシステムを核とするインジェクションスキーを世に送り出すなど、独自の技術開発を絶え間なく重ねている。
そんなスワロースキーは、「良いスキーを適正価格で提供すること」を信念に、コストパフォーマンスも優れており、フリースキーに限らず様々なカテゴリーの最初の1台に最適なラインナップを取り揃えている。また、地元北信の野沢エリアや志賀エリアでは、レンタルショップを展開し、初心者から上級者まで誰もが楽しめるスキー用具を提供している。
そして1995年、同社はスノーボードブランド「ZUMA」を立ち上げる。ブランド名は、幸運を呼ぶイルカが泳ぐとされるアメリカ・ロサンゼルスの「Zuma Beach」に由来。その自由でポジティブなスピリットを受け継ぎ、2012年に誕生したのがフリースキーブランド「ZUMA SKIS」だ。老舗メーカーが長年培ってきた製造技術と、新しいスキーカルチャーへの情熱が交わって生まれた、いわば“和製フリースキー”の本格派である。
カナダ代表とともに、世界の頂点へ
ZUMASKISの名を一気に押し上げたのが、2016年に始まったカナダ・フリースタイルチームとのパートナーシップだ。世界を舞台に戦うトップアスリートが実戦で使い込むことで、板は年々確かな進化を遂げてきた。
その成果は、最高峰の国際大会で証明されている。2018年、女子ハーフパイプでCassie Sharpe(キャシー・シャープ)選手がZUMASKISとともに金メダルを獲得。続く2022年大会でもCassie Sharpe選手が銀メダル、Rachael Karker(レイチェル・カーカー)選手が銅メダルに輝き、表彰台に複数のZUMASKISが並んだ。世界のトップが、最も過酷な舞台で選び続けている――この事実こそ、ブランドの実力を何より雄弁に物語っている。
背景にあるのは、飯山仕込みの妥協なきものづくりだ。多くのモデルに滑走性能に優れた9.2mil.のシンタードソールを採用し、サンドイッチ構造やライトウェイトコアによって、軽さと反発・安定性を高い次元で両立。コンフォート系には軽量かつ高レスポンスなA.H.C(アドバンスド・ハニカム・コア)を搭載するなど、カテゴリーごとに最適な設計を突き詰めている。競技志向のフリースタイルから、パウダーを楽しむフリーライド、基礎向けのテクニカル、扱いやすいコンフォートまで、ラインナップの幅広さも大きな魅力だ。2023年には母体のスワロースキーが創立70周年を迎え、ブランドはいま円熟期を迎えている。
2026-27 ニューモデル。主役は「VIABOOM」と「G.S.T」
2026-2027シーズンのZUMASKISで、ぜひ注目してほしいのがフリーライドを牽引する2本、「VIABOOM」と「G.S.T」だ。
■ VIABOOM(ヴァイアブーン)── パウダーを“飛ぶ”ワイドフリーライド
ウエスト幅100mmオーバーというブランド最広のワイド設計をまとうVIABOOMは、圧雪から非圧雪まで幅広く対応するオールラウンドなフリーライドモデル。深雪では、まるで雪の上を飛んでいるかのような極上の浮遊感を味わわせてくれる一方、軽さと適度な張りを備え、ゲレンデやパークでも軽快に扱える懐の深さを持つ。2026シーズンは“極寒と無重力”をテーマにした宇宙モチーフの鮮烈なグラフィックへと一新。試乗会でも人気を集め、テスト本数ランキングで3位に入るなど、見た目と中身の両面で熱視線を浴びている。
■ G.S.T(ジーエスティ)── 1本で“全部”楽しむマルチパーパス
かつて姉妹モデル「M.I.Y」に統合されていたシェイプを、“1本でカービングからオフピステまでこなしたい”というスキーヤーの声に応えて復活させたのがG.S.Tだ。ややワイドなプロフィールながら驚くほど軽快な操作性を備え、ショートターンからロングのカービングまで滑らかにこなす。ゲレンデでの高いカービング性能と、オフピステでの自由な楽しさを一台で両立させたマルチパーパスモデルである。モデル名は「Give Shape to Thoughts(思いに形を与える)」の頭文字。作り手とスキーヤーの意思が、そのままターンとシュプールになるという想いが込められている。なお、同じシェイプをベースに材料構成を見直し、ソフトで軽量に仕上げた「M.I.Y」もラインナップ。ゲレンデからツアースキーまで、より幅広いスタイルに応える。
■ 目的に応じて選べる、充実のスキーラインナップ
主役の2本以外にも、ZUMASKISには滑りの目的に合わせて選べるモデルが揃う。フリースタイルの頂点に立つのは、カナダ代表も実戦で使用するハーフパイプ競技モデル「PRO PIPE」。大きなエアの衝撃にも耐える高耐久設計で、1000万分子を超えるハイスペックなシンタードソールが優れた滑走性を生む(¥103,400/税込)。そのアウトラインを継承しつつゲレンデで扱いやすく仕上げた「PRO GENE」、スロープスタイルやビッグエアに対応する高耐久モデル「FLAGEA」、自由度の高いツインチップ「krú:z」など、レベルとスタイルに応じて選べる幅広さがある。
基礎・技術系のスキーヤーには、テクニカルモデルの「SCHWALBE(シュワルベ)」。ウェーブカットメタルで高速域の安定性を高めた「SCHWALBE-Ti」と、カーボンレイヤーで軽快な操作感を実現した「SCHWALBE-Ca」の2タイプを用意する。もっと気軽に、軽く楽しく滑りたい人には、軽量・高レスポンスなA.H.Cを搭載したコンフォートシリーズ「LOGUE ADVANCE」「MONO ADVANCE」などがおすすめだ。ビンディング付きで手に取りやすい価格も魅力で、これからスキーを始める人や、久しぶりに再開する人の一本としても心強い。
世界を舞台に戦うライダーたち
ZUMASKISを語るうえで欠かせないのが、板とともに世界で戦うカナダ代表ライダーたちの存在だ。女子ハーフパイプの女王Cassie Sharpe選手を筆頭に、2022年に表彰台へ上がったRachael Karker選手、Dylan Marineau選手ら実力者が名を連ねる。彼らのフィードバックが製品開発へ還元され、また新たな一本へと磨かれていく――この好循環こそが、ZUMASKISの進化を支える原動力になっている。
次の一本に、ZUMASKISという選択を
70年以上にわたって日本の雪と向き合ってきた技術、世界の頂点で証明された性能、そして目的に合わせて選べる幅広いラインナップ。ZUMASKISは、その三つを兼ね備えた稀有なブランドだ。長く使ってきた愛用の一本がそろそろ寿命かもしれない、あるいはもう一段上の滑りに挑戦したい――そんなときこそ、次の候補にZUMASKISを加えてみてほしい。
パウダーで浮遊感を味わうVIABOOM、1本で懐深く楽しむG.S.T、競技を見据えたPRO PIPE。あなたのスタイルに寄り添う一本が、きっと見つかるはずだ。次のシーズン、雪山での時間をもっと自由に、もっと楽しくしてくれる相棒として。買い替えの選択肢に、ぜひZUMASKISを。
※価格・スペックは2026-2027シーズンカタログ(SWALLOWSKI 2026-2027 COLLECTIONS)に基づく。